自消乙予発第20号

昭和40年10月26日

各都道府県消防主管部長 殿

消防庁次長

 

危険物の規制に関する政令の一部を改正する政令等の公布について(通知)

 

去る921日、危険物の規制に関する政令の一部を改正する政令が政令第308をもつて公布され、次いで去る101日、危険物の規制に関する総理府令の一部を改正する省令が自治省令第28をもつて公布され、それぞれ101日から施行された。

今回の政省令の改正は、消防法の一部改正(514)に基づいて行われたものと、懸案事項に改善を加えたものとの2つの内容を含むものであるが、いずれも昨年来相次いで発生した危険物施設の災害と生成発展する危険物産業の実態に即応すべく、政省令制定以来始めての大規模な改正として行われたものであつてきわめて重要な意義を持つている。

貴職におかれては、下記事項に御留意のうえ、これが実施運営に遺憾のないよう格段の御配慮をされるとともに、管下市町村に対してもこの旨示達のうえ、よろしく御指導の程お願いする。

なお、本通達中においては、改正後の法令名について、次のとおり略称を用いたので承知されたい。

消防法(昭和23年法律第186)・・・法

危険物の規制に関する政令(昭和34年政令第306)・・・令

危険物の規制に関する規則(昭和34年総理府令第55)・・・規則

 

 

第1 製造所等の位置、構造及び設備の基準

1 製造所(令第9条規則第19条の2)

(1) 第四類の危険物のうち水溶性のものを取り扱う設備について、油分離装置の設置義務が外されたこと(令第9条第12号)

(2) 電気設備に係る規制については、全面的に電気工作物に係る法令によることとされたこと(同条第17号)

(3) アセトアルデヒド又は酸化プロピレンを取り扱う設備について使用する金属の制限を行なうとともに、不燃性ガス又は水蒸気の封入装置を設けることとされたこと(同条第23号、第24号規則第19条の2)

なお、既存の製造所のうち令第9条第24号の規定に適合しないものについては、昭和42930日までの間は、従前の例によるものであること。

(4) その他規定の整備が図られたこと。

2 屋内貯蔵所(令第10条規則第14条第16条の2第16条の3)

(1) 乙種危険物又は第六類の甲種危険物の貯蔵倉庫にあつては、平家建としないことができることとされたこと(令第10条第1項第4号ただし書)

しかし、床は地盤面以上に設けなければならないので、これによつて地下倉庫が認められたものではないこと。

なお、2階建以上の建築物の構造等については、その運用の基準が定まり次第追つて通知する。

(2) 過酸化物Aのうち、特定の有機過酸化物の屋内貯蔵所の位置、空地及び貯蔵倉庫の構造等について令第10条第1項の基準をこえる特例が定められたこと(同条第2項規則第16条の3)

なお、規則第16条の3で特例を定めていない事項、例えば当該屋内貯蔵所と令第9条第1号ニからヘまでに掲げる施設等との間の距離、貯蔵倉庫の屋根をふく材料等の基準については、従前どおり令第10条第1項の基準が適用になるものであること。

また、上記の特例の既存の屋内貯蔵所に対する適用については、貯蔵倉庫の屋根の構造に関するもの並びに窓の位置及び面積に関するものは従前の例によることができ、その他のものにあつては昭和42930日までの間はなお従前の例によるものであること(規則附則第2項、第3項)

(3) 屋外貯蔵所で貯蔵することができる危険物の品名が追加されたことに伴い、屋内貯蔵所の空地に関する規定の一部が改正されたほか、規定の整備が行なわれたこと(規則第14条)

3 屋外タンク貯蔵所(令第11条規則第15条、第21条の2-第22条[21条の221条の322])

(1) 屋外貯蔵タンクの支柱(第六類の危険物に係るものを除く。)について一定の耐火性能を備えるべきことが規定されたこと(令第11条第5号)

なお、政令に例示された以外の「耐火性能を有するもの」は、次のとおりとすること。

() 鉄骨を、塗厚さが4cm(軽量骨材を用いたものについては3cm)以上の鉄網モルタル、厚さが5cm(軽量骨材を用いたものについては4cm)以上のコンクリートブロツク又は厚さが5cm以上のれんが若しくは石でおおつたもの

() 鉄骨を厚さが3cm以上の吹付石綿(かさ比重が0.3以上のものに限る。)でおおつたもの

(2) 注入口の構造及び掲示板の設置義務を新たに規定したこと(同条第10号)

なお、本改正に伴い、従来、一般取扱所として規制されてきた注入口は、今後は屋外タンク貯蔵所の一部分として規制されることとなるが、その取扱いについては次の要領で行われたいこと。

() 1の注入口で2以上の屋外タンク貯蔵所に使用されるものにあつては、主たる屋外タンク貯蔵所の注入口として許可を受けるものであること。

() 2以上の注入口が1ヵ所に群をなして設置されている場合で、同号ハの掲示板を設けなければならないときは、当該注入口群に1掲示板を設けることをもつて足りること。

この場合、2以上の品名が該当するときは、当該2以上の品名を表示した掲示板を設けること。

() 現に一般取扱所として許可を受けている注入口については、当該注入口に係る屋外タンク貯蔵所の変更の申請を行わせる必要はなく、当該施設を管轄する行政庁においてその原簿の整理を行い、一般取扱所から削除して屋外タンク貯蔵所に編入されたいこと。なお、削除した一般取扱所(後述ポンプ設備の一般取扱所で削除した分を含む。)の数については、製造所等の区分に応じとりまとめのうえ追つて報告されたいこと。

() 同号ハただし書の「市町村長等が火災の予防上当該掲示板を設ける必要がないと認める場合」には、注入口が屋外貯蔵タンクの直近にあり、当該タンクの注入口であることが明らかである場合、関係者以外の者が出入りしない場所にある場合等が該当すること。

(3) ポンプ設備の空地、タンクの間に保つべき距離及び掲示板の設置並びにポンプ室の構造の規定が新たに定められたこと(同条第10号の2)

また、ポンプ設備についても、従来一般取扱所として規制されてきたものを今回の改正により屋外タンク貯蔵所の一部分として規制されることとなったこと及び引火点の低い危険物のポンプ設備について掲示板を掲げることとされたことについては、注入口の場合と同様であるので、注入口の場合と同様の取扱いをされたいこと。

なお、上記の点のほか、次の事項に留意のこと。

() ポンプ設備は、屋外タンク貯蔵所の一部分であるから、当該屋外タンク貯蔵所の空地内に置くことは差し支えないが、その場合タンクとの間に当該屋外タンク貯蔵所の空地の幅の3分の1以上の距離を保たなければならないこと(同号ロ)

なお、上記と関連し、ポンプ設備は防油堤内には置かないよう指導されたいこと。

() 指定数量の10倍をこえる危険物(第六類の危険物を除く。)に係るポンプ設備の周囲には、3m以上の幅の空地を保つこと(同号イ、規則第21条の2)とされたが、この空地の制限は、当該ポンプ設備の属する屋外タンク貯蔵所のタンクその他の部分には及ばないものであること(例えば、タンクの空地の幅が3m以上の場合にあつてはタンクとポンプ設備と間の距離は1m以上あればよいこと)

() 防火上有効な隔壁を設ける場合には、ポンプ設備の空地の規定は適用されないが、この「防火上有効な隔壁を設ける場合」には、1棟の工作物のなかでポンブ設備の用途に供する部分と他の用途に供する部分とが耐火構造の隔壁で屋根裏まで完全に仕切られている場合を含むものであること。

() 2以上のポンプ設備が1カ所に集団をなして設置されている場合においては、当該2以上のポンプ設備の群をもつて、1のポンプ設備とすること。

したがって当該ポンプ設備は、その属するすべてのタンクのポンプ設備としての性格を有することとなるのでその属するどのタンクの空地内に置くことも可能であり、また、どのタンクとの距離もタンクの空地の幅の3分の1以上でなければならないこと。

また、掲示板も、1掲示板で足りるが、2以上の品名に係る場合は、当該2以上の品名を列記すること。この場合、設置、変更の許可等の取扱いについては、主たるタンクのポンプ設備として行なうこと。

(4) 水抜管の取付け位置に関し、新たに規定が設けられたこと(令第11条第11号の2規則第21条の3)

水抜管は、タンクの側板に設けることが原則であるが、次の()又は()の措置をとることにより、地震、地盤の不等沈下等の際に、タンクと水抜管との結合部分に損傷を受けるおそれのない場合は、タンクの底板に設けても差し支えないこと。

() 水抜管とタンクとの結合部分及び当該結合部分の直近の水抜管の部分が、地震等の際、タンクの基礎部分に触れないよう、当該水抜管とタンクの基礎との間にその直径以上の間げきを保つこと。

ただし、水抜管の大きさ、タンクの固定方法等により、間げきの大きさを変えることは差し支えないこと。

() 架台に支えられたタンク等、タンクの底板と地盤面との間に適当な空間を設けられているものめ底板に、当該タンクの水抜管とその直下の地盤面との間に間げきが保たれるように水抜管を設けること。

なお、既存の屋外タンク貯蔵所に係る水抜管については、なお従前の例によるものであること。※ 消防危第89(昭和58929)により、実質上、改修することとされた。

(5) 配管の設置について、耐震性を持たせて行うべき旨の規定が定められたこと(同条第12号の2)。この耐震性は配管の設置方法によつて措置することが最も望ましいが、タンクの設置場所その他周囲の状況からこれが困難である場合は、タンクと配管との結合部分にメタルホースのような振動に対し比較的柔軟性があるものを設けることによつて行うこともできること。

(6) アセトアルデヒド又は酸化プロピレンを貯蔵するタンクについて、使用する金属の制限が行われることとなり、また、冷却装置又は保冷装置及び不燃性ガス封入装置が設けられることとなつたこと(同条第12号の3第12号の4)

(7) 防油堤の構造について一部改正が行なわれたこと(規則第22条第2項)

本改正により、例えばコンクリートブロツクは防油堤を構成する材料としては認められないこことなつたので、留意されたいこと。

なお、本改正に伴う防油堤の改修の具体的運用については、別途通知する。

(8) 経過措置

既存の屋外タンク貯蔵所に係るタンクの支柱、配管、酸化プロピレン等を貯蔵するものの附属装置及び防油堤の構造、設備のうち、改正後の基準に適合しないものに係る技術上の基準については、昭和42930日までは従前の例によるものとされたこと(令附則第3項規則附則第3項)

4 屋内タンク貯蔵所(令第12条)

屋内タンク貯蔵所のタンクの注入口、水抜管、配管及び酸化プロピレン等を取り扱うものの設備及び装置について、屋外タンク貯蔵所の例によるものとされたこと(同条第9号第10号の2第11号の2及び第11号の3)

5 地下タンク貯蔵所(令第13条)

(1) 液体の危険物の地下貯蔵タンクには、危険物の量の自動覚知装置又は計量口を設げることとされたこと(同条第8号の2)

(2) 注入口について、屋外に設けることとされたことのほか、屋外貯蔵タンクの例によるものとされたこと(同条第9号)

(3) 地下貯蔵タンク及び屋内貯蔵タンクに附随するポンプ(ポンプ群を含む。)設備の規制については、屋外貯蔵タンクのポンプ設備と同様に、今後、当該タンクのポンプ設備として扱われたいこと。

なお、この場合、その位置、構造及び設備については、当該ボンプ設備の設置場所等を勘案し、屋外貯蔵タンクのポンプ設備に関する基準に準じたものとするよう指導されたいこと。

6 移動タンク貯蔵所(令第15条)

(1) アセトアルデヒド及び酸化プロピレンのタンクの構造及び材料について、新しい規制が行なわれることとなつたこと(同条第2号の2第7号の2)

(2) 防波板の構造及び設置方法について、細則が設けられたこと(同条第4号規則第24条の2)

なお、本改正により基準に適合しないこととなる既存の移動貯蔵タンクについては、なお、従前の例によるものであること(令附則第2項)

(3) 移動タンク貯蔵所に、運搬の基準と同様な標識の掲示義務が定められたこと(令第15条第10号規則第17条第2項)

7 屋外貯蔵所(令第2条第7号規則第16条)

(1) 屋外貯蔵所に貯蔵することができる第四類の危険物として、第二石油類、テレビン油、しよう脳油及び松根油が追加されたこと(令第2条第7号)

(2) 第六類の危険物の屋外貯蔵所の保有すべき空地の幅が令第16条第4号の表に掲げる空地の幅の3分の1とされたこと(規則第16条)

8 消火設備(令第20条)

7の改正と関連し、著しく消火困難な製造所等の中に屋外貯蔵所が入つたほか、別表の整理が行なわれたこと。

なお、本改正に伴う省令改正は後日行なわれる予定であること。

9 掲示板(規則第18条)

過酸化物A(無機過酸化物を除く。)について、「火気厳禁」と表示させることとされたほか、規定の整備が行なわれたこと。

なお、今回の改正の結果、掲示板を新たに設置し、又は表示事項を改める旨の規定は、昭和4111日から施行されるので、昭和401231日までに新設又は書換えが完了するように措置されたい。

 

第2 貯蔵及び取扱いの基準

1 貯蔵

(1) 旧法第10条第2項の類別を異にする危険物の同時貯蔵禁止の規定と同様の規定が設けられたこと。ただし、隔壁の構造は耐火構造に限ることとされ、また、第一類の危険物(過酸化物Bを除く。)と第五類の危険物との同時貯蔵は認めることとされたこと(令第26条第1項第1号規則第39条)

(2) 屋外貯蔵タンク、屋内貯蔵タンク又は地下貯蔵タンクの元弁の不使用時における閉鎖の義務が設けられたこと(令第26条第1項第3号の2)

(3) 移動タンク貯蔵所における危険物の移送中の貯蔵基準について、危険物の運搬の基準と同様の規定が設けられたこと(同項第5号の2第5号の3)

(4) エチルエーテル、アセトアルデヒド又は酸化プロピレンをタンクに貯蔵する場合の不燃性ガスの封入義務及び一定以下の温度に保持する義務が定められたこと(同条第2項規則第40条の2)

2 取扱い

(1) 移動貯蔵タンクにおける危険物の出し入れの際の注入口と給油ホースの緊結義務が定められたこと(令第27条第6項第3号イ)。この結果、投込み式その他結合金具を用いない注入方法は禁止されること。

(2) ガソリン、ベンゾールその他静電気が発生して災害を起すおそれのある液体の危険物の移動貯蔵タンクにおける出し入れの際には、移動貯蔵タンクを接地するものとされたこと(同号ロ規則第40条の3)。なお、次の事項に留意されたい。

() 静電気による災害を発生させるおそれのある液体の危険物には、おおむね第四類の甲種危険物(アセトアルデヒド、メチルエチルケトン、アルコール類を除く。)が該当するものであること。

() 「接地電極等」には、水道管、鉄骨等も含まれるものであること。

() 導線と接地電極等との間の緊結方法としては、ネジ、ボルト締のほか、クリツプによる結合も含まれること。

 

第3 危険物取扱主任者

1 免状の再交付の申請先の変更(令第35条第1項)

免状の再交付の申請先は、当該免状の交付又は書換えをした知事に限るものとされたこと。

2 業務の明確化(規則第48条)

法第13条第1項の規定に基づき、危険物取扱主任者の業務が明確化されたこと。

なお、規則第48条各号に掲げる事項のうち、第4号の「当該製造所等に隣接する製造所等その他関連する施設」とは、同一事業所内における製造所等及び高圧ガス取締法、火薬類取締法等他の法令の規定に基づく施設で関連のあるものを意味し、同一事業所内の関連工程の保安の一元化を目指したものであること。

また、第5号の監督業務には、次の()から()までに掲げる事項その他必要な業務があること。

() 作業に従事する者の保安教育の実施

() 作業の実施に関する記録の作成及び保存

() 火災等の災害があった場合においては、その記録の作成及び関係のある者への報告

3 試験科目の一部免除(規則第55条第5項)

一種類以上の乙種危険物取扱主任者免状の交付を受けている者で、他の種類の乙種危険物取扱主任者試験を受けるものについては、同条第2項第1号及び第3号の試験科目を免除することとされたこと。

なお、上記の試験科目の免除を受ける者についての取扱いは次により行なわれたいこと。

() 受験願書を受け付ける際に、免状の呈示を求め、免状の交付を受けていることの確認を行なうこと。

() 試験の時間は、出題数に応じて定めること。

() その他の事項については、他の受験者の場合と同じ取扱いとすること。

 

第4 危険物施設保安員

1 危険物施設保安員を定めなければならない製造所等の指定(令第36条規則第60条)

危険物施設保安員を定めなければならない製造所等としては、構造及び設備が複雑であり、かつ、災害発生の危険性の高い製造所等という観点から、指定数量の100倍以上の危険物を取り扱う製造所及び一般取扱所のうち、次の()及び()に該当するもの以外のものが指定されたこと。

() ボイラー取扱所、ドラム詰場、ローリー詰場、圧油装置等、構造、設備及び危険物の取扱作業が比較的単純な一般取扱所

() 他の法律(鉱山保安法及び火薬類取締法)の規定により類似の制度が設けられている関係上、危険物施設保安員を定める必要がないと認められる製造所又は一般取扱所

なお、規則第60条第1号から第4号までに例示されたもの以外の施設としては、第2号の「車両に固定されたタンクその他これに準ずるもの」に船舶、タンク車及び移動タンク貯蔵所のタンクが含まれるほか、追って連絡するものが含まれること。

2 危険物施設保安員の業務(規則第59条)

危険物施設保安員の業務は、規則第59条第1号から第5号までに掲げるもののほか、製造所等の新設、改造又は修理に際し、これに立会い、それらが法第10条第4項の規定に適合して行なわれるように指導すること等があること。

3 その他

危険物施設保安員は、必ずしも1施設1名以上配置する必要はなく、当該事業所の施設の保安目的を達成しうる限度において、他の施設の危険物施設保安員を兼ねることも差し支えないこと。

また、危険物施設保安員は、危険物取扱主任者とは別に定めることが原則であるが、多数の危険物取扱主任者を選任している施設にあつては、危険物取扱主任者が危険物施設保安員を兼務することも妨げないが、これは、当該施設に危険物施設保安員に併任されていない危険物取扱主任者が1名以上選任されている場合に限られるものであること。

 

第5 予防規程

1 予防規程を定めなければならない製造所等の指定(令第37条規則第61条)

予防規程を定めなければならない製造所等としては、規模が小さい製造所等及び他の法律(鉱山保安法及び火薬類取締法)の規定により類似の規程の制定を義務づけられている結果、予防規程を定めさせる必要がないと認められる製造所等が除外され、それ以外の製造所等が指定されたこと。

2 予防規程の認可の申請(規則第62条)

予防規程の認可の申請は、規則別記様式第17による申請書に当該認可を受けようとする予防規程を添えて行なうこととされたこと。

予防規程作成対象施設が2以上存在する事業所については、一括した予防規程をもつて、当該2以上の対象施設の予防規程とみなして差し支えないこと。この場合の申請の手続は、規則別記様式第17の申請書に当該事業所における代表的な対象施設に関する事項を記入させたもの1部と、他の対象施設の製造所等の別、危険物の類、品名、最大数量、指定数量の倍数を一表にしたもの(別添様式参照)を提出することによつて行なわせること。

3 認可の基準

認可にあたつては、次の()から()までに掲げる事項が規定されているか否か、その内容が法第10条第3項の技術上の基準に適合するものであり、かつ、火災予防上適当なものであるか否かを判定の基準にされたいこと。

なお、()から()までに掲げる事項については、当該施設の実態に即したものが規定されていれば足り、詳細な内容を求める必要はないこと。

(例えば、()については、詳細な作業標準又は作業基準を求める必要はなく、その大綱が定めてあれば足りる。)

() 予防規程の適用範囲及び遵守に関すること。

() 予防規程の改廃の手続、方法等に関すること。

() 危険物施設の構造及び設備の維持管理上必要な点検に関し、その時期、実施方法、実施結果の措置方法、確認等。

() 危険物の性状及びその貯蔵し、又は取り扱う危険物に応じた貯蔵及び取扱いの方法に関すること。

() 火災等の発生時における非常体制組織の編成、平常時の訓練及びそれらの運用に関すること。

() 危険物の取扱作業に従事する者に対する保安教育の実施に関し、その時期、方法等

() 外来工事者、請負業者等の杜外者に対する保安上必要な事項の周知方法、確認方法等

() 危険物施設の修理、改修について、保安上必要な事項の周知方法、確認方法等

() その他保安上必要とされる事項に関すること。

4 認可の実施時期

予防規程の制定及び認可の規定は、101日より施行されたが、令附則第4項の規定により認可は101日から3月以内に受けることとされたこと。したがつて、1231日までに、全対象施設について、認可手続が完了するように計画を立て、順次認可を実施されたいこと。

 

第6 自衛消防組織

1 自衛消防組織を置かなければならない事業所の指定(令第38条規則第63条)

自衛消防組織を置かなければならない事業所としては、当該事業所内の指定施設(第四類の危険物を取り扱う製造所又は一般取扱所で規則第60条第1号から第5号までに掲げるもの以外のもの)において取り扱う第四類の危険物の最大数量の和が指定数量の3,000倍以上となるものが指定されたこと。

2 自衛消防組織の編成(令第38条の2規則第64条第65条)

自衛消防組織の編成は、令第38条の2の表のとおりとされたこと。

ただし、消防に関する相互応援に関する協定を締結している事業所については編成の特例が認められるものであること。

なお、自衛消防組織を構成する人員は、専任の職員に限定されるものではなく、緊急の場合においては、いつでも出動して化学消防自動車の操作その他の消防活動に従事できる態勢にある人員であれば、通常は、他の業務に従事している者であつても差し支えないこと。

なお、化学消防自動車の機関員は専従であるごとが望ましいこと。

また、令第38条の2第3項の規定に基づき、化学消防自動車に備えるべき消火薬剤は、3%の泡消火原液にあつては1,350L以上、6%の泡消火原液にあつては2,700L以上とすることが適当であること。

 

第7 その他の事項

1 品名を異にする2以上の危険物の貯蔵又は取扱いに関する規定が法第10条第2項との関連で削除されたこと(令第4条)

2 映写技術者の制度の廃止に伴い、関連する規定が削除されたこと。

3 法第16条の3の規定に基づき、法第10条第1項ただし書の仮貯蔵又は仮取扱いの承認の手数料が500円と定められたこと(令第40条)

4 法第11条の2の規定による危険物の種類又は数量の変更の届出の手続が定められたこと(規則第7条の2第9条、別記様式第6の2)

この場合の「種類」とは、法別表の品名をいうものであること。したがって、品名の変更を伴わない、単なる一般的名称の変更は、本条に該当しないので、届出を要しないが、火災予防上これを掌握する必要のある場合は、法第16条の4による報告を求めること。

5 その他規定の整備に関すること。

 

別添様式 (省略)

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