消防危第35号
平成22年2月26日
各都道府県知事
各指定都市市長 殿
消防庁次長
危険物の規制に関する政令の一部を改正する政令等の公布について
危険物の規制に関する政令の一部を改正する政令(平成22年政令第16号)及び危険物の規制に関する規則の一部を改正する省令(平成22年総務省令第10号)が、本日公布され、平成22年9月1日より施行されることとなりました。
今回の改正は、危険物たる物品の一部についてその類別を変更し、所要の経過措置を設けることを主な内容とするものです。
貴職におかれましては、下記事項に留意の上、その運用に十分配慮されるとともに、貴都道府県内の市町村に対してもこの旨周知されるようお願いします。
記
1 危険物第四類第二石油類である1-アリルオキシ-2・3-エポキシプロパン(アリルグリシジルエーテル)及び4-メチリデンオキセタン-2-オン(ジケテン)(以下「1-アリルオキシ-2・3-エポキシプロパン等」という。)を危険物第五類の品名に変更したこと(危険物の規制に関する政令(昭和34年政令第306号)第1条)。
2 第四類から第五類に変更される1-アリルオキシ-2・3-エポキシプロパン等について、これまでと同様に、当該物質と第四類の他の物質を同一の貯蔵所で貯蔵することができるよう同時貯蔵禁止の例外として定める危険物として追加したこと(危険物の規制に関する規則(昭和34年総理府令第55号)第39条)。
第2 施行期日等
1 これらの政令等は、平成22年9月1日から施行するものとされたこと(改正令附則第1条及び改正省令附則第1条)。
2 経過措置
(1) 製造所等の許可及び技術基準に関する経過措置
新規対象の製造所等(1-アリルオキシ-2・3-エポキシプロパン等が第五類の危険物の品名に変更されたことに伴い、新たに許可を受けなければならないこととなる既存の施設をいう。以下同じ。)及び既設の製造所等(既に許可を受けて設置されている製造所等のうち、1-アリルオキシ-2・3-エポキシプロパン等が第五類の危険物の品名に変更されたことに伴い、適用される位置、構造及び設備に廃る技術上の基準に変夷があるものをいう。以下同じ。)については、施行日から6月以内に当該許可を受ければよいこととされ(改正令附則第2条)、許可を受けるまでの間は、当該施設に適用される位置、構造及び設備の技術上の基準は従前の例によるものとされたこと(改正令附則第3条)。
(2) 製造所等の届出に関する経過措置
既に許可を受けて設置されている製造所等のうち、当該施設において貯蔵し、又は取り扱う危険物の指定数量の倍数が増加するものについては、当該施設の所有者等は、施行日から3月以内にその旨を市町村長等に届け出なければならないこととされたこと(改正令附則第4条)。
(3) 製造所等の位置、構造及び設備の技術上の基準に関する経過措置
新規対象の製造所等及び既設の製造所等について一定の位置、構造及び設備の技術上の基準に関する経過措置が講じられたこと(新規対象の製造所等:改正令附則第5条第1項から第3項まで及び第6項、改正令附則第6条第1項、第2項及び第7項、改正令附則第7条第1項、第2項及び第5項、改正令附則第8条第1項、改正令附則第9条第1項、改正令附則第10条及び改正令附則第11粂第1項並びに改正令附則第12条第1項並びに改正省令附則第2条第1項、改正省令附則第3条、改正省令附則第4条第1項、改正省令附則第5条第1項及び改正省令附則第7条第1項、既存の製造所等:改正令附則第5条第4項及び第5項、改正令附則第6条第3項から第6項まで、改正令附則第7条第3項及び第4項、改正令附則第8条第2項及び第3項、改正令附則第9条第2項、改正令附則第11条第2項並びに改正令附則第12条第2項並びに改正省令附則第2条第2項、改正省令附則第4条第2項、改正省令附則第5条第2項、改正省令附則第6条及び改正省令附則第7条第2項)。
なお、経過措置の適用に際して、以下の点に留意すること。
ア 新規対象の製造所等について、原則として、次に掲げる基準に適合している必要があること。
(ア) 屋内のものにあっては軍内が不燃材料で覆われ、開口部には防火設備が設けられていること、屋外のものにあっては周囲に1m以上の幅の空地を保有する等延焼の防止上有効な措置を講じたものであること、危険物を取り扱う配管にあっては十分な強度を有し、かつ、漏れない構造であること、タンクにあっては鋼板その他の金属板で造られ(地下にあるタンクにあっては鋼板その他の金属板又は強化プラスチックで造られていること。)、かつ、漏れない構造であること等、製逮軒等の区分ごとに定められた基準に適合していること。
(イ) 平成22年9月1日における指定数量の倍数を超えないこと。
イ 既設の製造所等について、原則として、次に掲げる基準に適合している必要があること。
(ア) 危険物を取り扱う配管にあっては十分な強度を有し、かつ、漏れない構造であること、タンクにあっては鋼板その他の金属板で造られ(地下にあるタンクにあっては鋼板その他の金属板又は強化プラスチックで造られていること。)、かつ、漏れない構造であること。
(イ) 平成22年9月1日における指定数量の倍数を超えないこと。
(4) 危険物の容器の表示に関する経過措置
1-アリルオキシ-2・3-エポキシプロパン等が第五類の危険物の品名に変更されたことに伴い、1-アリルオキシ-2・3-エポキシプロパン等を貯蔵する屋内貯蔵所の既存の危険物の内装容器等について、外部に行う表示に関する経過措置が講じられたこと(改正省令附則第8条)。
(5) 運搬容器の表示に関する経過措置
1-アリルオキシ-2・3-エポキシプロパン等が第五類の危険物の品名に変更されたことに伴い、1-アリルオキシ-2・3-エポキシプロパン等を運搬する既存の容器について、外部に行う表示に関する経過措置が講じられたこと(改正省令附則第9条)。
(6) 実務経験に関する経過措置
新規対象の製造所等における危険物保安監督者に関する経過措置が講じられたこと(改正省令附則第10条)。
(7) 取扱い等をすることができる危険物の種類に関する経過措置
1-アリルオキシ-2・3-エポキシプロパン等を乙種第四類の危険物取扱者免状に基づき、取扱い、又は取扱い作業に立ち会っている者に関する経過措置が講じられたこと(改正省令附則第11条)。
(8) 届出の様式等
1-アリルオキシ-2・3-エポキシプロパン等が第五類の危険物の品名に変更されたことに伴う、改正令附則第4条の規定に基づく届出の様式等が定められたこと(改正省令附則第12条)。
(9) 罰則に関する経過措置
改正政令及び改正省令の施行前にした行為並びに改正令附則及び改正省令附則においてなお従前の例によることとされる場合におけるこの改正令及び改正省令の施行後にした行為に対する罰則の適用について、従前の例によることとされたこと(改正令附則第13条及び改正省令附則第13条)。
以上