消防危第129号
平成26年5月14日
各都道府県消防防災主管部長
東京消防庁・各指定都市消防長 殿
消防庁危険物保安室長
マグネシウム等の水による消火が適さない物質を取り扱う事業所に係る防火対策の徹底について(通知)
平成26年5月13日に発生した東京都町田市の作業場火災では、8名の負傷者が発生した他、マグネシウム等の水による消火が適さない物質火災のため、鎮圧までに長時間を要したところです(別紙参照)。
当該事業所は危険物施設として許可を受けた施設ではなく、今後の火災原因調査等の結果を待つ必要がありますが、マグネシウム粉末等は危険物に該当することから、類似の火災の発生を防止するために、当面はマグネシウム等の水による消火が適さない物質を取り扱う事業所(危険物施設)に対し、下記の事項に留意の上、防火安全対策の更なる徹底を図られますようお願いします。また、危険物施設以外の同様の危険性が考えられる施設に対しても、できる限り同様の対応をしていただくようお願いします。
各都道府県消防防災主管部長におかれましては、貴都道府県内の市町村(消防の事務を処理する一部事務組合等を含む。)に対してもこの旨周知くださいますようお願いします。
なお、本通知は消防組織法(昭和22年法律第226号)第37条の規定に基づく助言として発出するものであることを申し添えます。
記
1 出火防止対策の徹底
マグネシウム等の水による消火が適さない物質を取り扱っている事業所では、当該物質の近傍における火気の使用や、水又は高温物との接触がないことを徹底するとともに、換気を適切に行う等出火防止対策の徹底を図られたいこと。
2 初期消火体制等の再確認
マグネシウム等の水による消火が適さない物質から出火した場合、放水による消火ではなく、乾燥砂、金属火災用消火剤等を用いた迅速な初期消火が必要であり、また、消防機関への通報も重要であることから、これらの応急対応が適切に行われる体制が構築されていることの再確認を行われたいこと。
東京都町田市作業場火災(第3報)
消 防 庁
平成26年5月14日
17時00分現在
1 発生日時等
発生時刻:平成26年5月13日 調査中
覚知時刻:平成26年5月13日 16時14分
鎮圧時刻:平成26年5月14日 16時35分
2 発生場所
住所:東京都町田市成瀬5038番1号 株式会社シバタテクラム
3 建物概要
構 造:耐火造
階 数:地上2階、地下1階
建築面積: 702m2
延べ面積:2,009m2
焼損程度:全焼
焼損床面積:約1,400m2
4 死傷者等
(1) 人的被害
負傷者:8人(重症3人、中等症1人、軽症3人、搬送辞退1人)
(2) 建物被害
出火建物:調査中
5 火災原因等
調査中
6 その他
マグネシウム合金を扱っている作業場
7 消防庁の対応
5月13日17時44分 東京消防庁から第1報受領
5月13日21時35分 東京消防庁から第2報受領
5月14日11時00分 現地における支援のため、消防庁職員を4名(消防庁職員1名及び消防研究センター職員3名)派遣
5月14日17時00分 東京消防庁から第3報受領
5月14日17時00分 各都道府県、各政令指定都市に対し、マグネシウム等の水による消火が適さない物質を取り扱う事業所に係る防火対策の徹底について通知