消防危第72号

平成26年3月24日

各都道府県消防防災主管部長

東京消防庁・各指定都市消防長 殿

消防庁危険物保安室長

 

強化プラスチック製二重殻タンクの無許可での補修事案について

 

今般、危険物施設の地下貯蔵タンクの設置方法の一つである強化プラスチック製二重殻タンク(以下「FFタンク」という。)について、その製造販売事業者から消防庁に対して、危険物施設に設置されているFFタンクを消防法第11条第1項に規定する市町村長等の許可を受けずに補修を行った事案があったこと及びその対応について報告がありましたので、下記のとおり情報提供します。

各都道府県におかれましては、貴管内の市町村(消防の事務を処理する一部事務組合等を含む。)に対してもこの旨周知されるようお願いします。

 

 

1 無許可での補修を行ったFFタンクの販売・製造事業者

販売:株式会社タツノ

製造:日本タンク装備株式会社(株式会社タツノのグループ会社)

 

2 無許可での補修事案の概要

FFタンクの設置工事及びその後の点検等において、漏えい検知設備の検知液の漏えい、内殻のスチフナ(タンク強度を高めるための構造部品)の破損が発見された25施設39本のタンクに対し、市町村長等の許可を受けずに内殻の補修又は当該補修に加えて支柱の設置を行ったもの。

 

3 販売・製造事業者による対応

株式会社タツノ及び日本タンク装備株式会社により、以下の対応が行われる。

(1) 無許可変更を行ったFFタンクが設置されている施設の設置者、所轄消防機関に対し当該事案について速やかに連絡し、設置者、所轄消防機関と協議して速やかに是正措置を講じる。

なお、これまで補修等を行ったタンクにおいて外部へ危険物が流出する事故は発生しておらず、万が一FFタンクの破損等が発生した場合にも漏えい検知設備が設置されていることから、適切に初期対応を行うことにより流出事故に至ることを防ぐことが可能とのことである。

(2) 添付の告知文書をホームページへ掲載するとともに業界誌への社告の掲載を行う。

(3) 再発防止措置として、社内への法令遵守の徹底を図るとともに、工事の施工管理や施工・補修記録の管理の徹底を図る。

(4) FFタンクの補修及び施工のあり方等、今後の再発防止対策について第三者機関に検証を依頼する。

 

 

2014年3月24日

 

お客様各位

株式会社 タツノ

 

お詫びとお知らせ

 

平素は弊社製品に格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。

弊社は2005年以来、弊社の系列会社、日本タンク装備㈱が製造する、腐食のおそれの無いFRP樹脂製の二重構造のタンクである検知液方式FF二重殻タンク「EcoMax(エコマックス)タンク」(以下、FF二重殻タンク)を販売し、現時点で1,790基が設置されておりますが、FF二重殻タンクを設置した、ある施設において、管轄消防署への変更許可申請を行わないまま、タンク内部の補修(FRP積層補修、FRP支柱の設置)を行っていました。今般、そのことが同消防署より、無許可変更とのご指摘を受けたため、社内調査を行ったところ、使用開始前の入槽点検で不具合部分を発見、あるいは漏洩検知センサーの作動等を契機に、無許可で補修を行っているFF二重殻タンク(以下、無許可補修タンク)が全国で39(25施設)あることが判明しました。

弊社は今回発見された無許可補修タンクが設置されている施設のお客様とその管轄消防署に対して速やかに報告し、当該消防署のご指導に従い、お客様と協議の上、早期の是正について誠意をもって対処していく所存でございます。

FF二重殻タンクを採用頂きましたお客様には大変ご心配とご迷惑をお掛け致し、心よりお詫び申し上げます。

なお、FF二重殻タンクは内殻と外殻の間隙に検知液を充填し、万が一、内殻又は外殻が破損した場合、検知液の液面レベルが変動してタンク本体の異常を報せる漏洩検知センサーを装備しているため、内殻が破損しても、タンク外への油漏洩を未然に防止できる安全性を備えており、発売以来、全てのFF二重殻タンクについて破損によって貯蔵油が地中に流出した事故は発生しておりません。

弊社は、無許可補修タンクに管轄消防署の許可を得ることなく補修を行ってしまったことを猛省しており、今後このようなことの無いよう、タツノグループ全体で消防行政に対する法令遵守の認識をさらに深めていくと共に、施工記録の一元管理や施工技術水準の高度化、タンクカルテの完備等トレーサビリティの確保等、管理体制の一層の強化に努めてまいります。

何卒、ご理解賜りますようお願い申し上げます。

 

以上

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