消防予第163号

平成24年4月27日

各都道府県消防防災主管部長

東京消防庁・政令指定都市消防長 殿

消防庁予防課長

 

改正火災予防条例()の運用について(通知)

 

「対象火気設備等の位置、構造及び管理並びに対象火気器具等の取扱いに関する条例の制定に関する基準を定める省令の一部を改正する省令」(平成24年総務省令第17号。以下「改正省令」という。)により、急速充電設備を設置する際の位置、構造及び管理に関する基準が新たに定められたところです。

今般、改正省令による改正後の「対象火気設備等の位置、構造及び管理並びに対象火気器具等の取扱いに関する条例の制定に関する基準を定める省令」(平成14年総務省令第24)及び改正通知による改正後の「火災予防条例()(昭和36年自消甲予発第73号消防庁長官。以下「条例()」という。)に規定する急速充電設備を設置する際の位置、構造及び管理に関する基準について、その細目等に関する運用の指針を下記のとおりとりまとめました。

東京消防庁・政令指定都市消防長におかれましては、下記事項に留意の上、その運用に十分配慮されるとともに、各都道府県消防防災主管部長におかれましては、貴都道府県内の市町村(消防の事務を処理する一部事務組合等を含む。)に対してもこの旨周知されるようお願いします。

なお、本通知は、消防組織法(昭和22年法律第226)第37条の規定に基づく助言として発出するものであることを申し添えます。

 

 

1 急速充電設備に関する事項

(1) 急速充電設備の定義について(第11条の2関係)

条例()第11条の2に規定する「電気を設備内部で変圧して」とは、急速充電設備内部で変圧器を使用して昇圧するもののほか、変圧器以外の電子機器を使用して急速充電設備内部で昇圧するもの全てを含むものであること。

(2) 急速充電設備の筐体について(第11条の2第1項第1号及び第3号関係)

条例()第11条の2第1項第1号について、急速充電設備は金属板で覆った筐体に収容すること。また、第3号に規定する「雨水等の浸入防止の措置」について、筐体にあってはIP33以上の保護等級(JIS C0920「電気機械器具の外郭による保護等級(IPコード)」参照。)を確保していること。

(3) 異常な高温について(第11条の2第1項第9号関係)

条例()第11条の2第1項第9号に規定する「異常な高温」とは、「過電流等による発熱を温度センサーが検知し、急速充電設備が充電を停止する温度」を想定していること。

2 急速充電設備への自動車等の衝突防止措置について(第11条の2第1項第11号関係)

急速充電設備への自動車等の衝突による感電事故及び出火事故を防止するため、自動車等の衝突を防止する措置を講ずる必要があること。

また、条例()第11条の2第1項第11号に規定する「衝突を防止する措置」とは、「樹脂製ポール」や「鉄製パイプ」のほか、「車止め」等も含まれるものであること。

ただし、上記衝突防止策は、点検を実施する際に急速充電設備の扉の開閉の妨げにならない位置に設置すること。

3 点検について(第11条の2第2項関係)

条例()第11条の2第2項について、日常的な外観点検等のほか、消耗品の劣化や充電ケーブルの摩耗等による事故を防止するため、定期的な点検を行い、その記録については一定期間保存すること。

なお、急速充電設備は、電気事業法上の「自家用電気工作物」又は「一般用電気工作物」に区分され、自家用電気工作物に該当する場合には、法令による自主保安義務(電気事業法第42条)及び保安監督者の選任義務(電気事業法第43条)があること。

4 急速充電設備を設置する際の消防用設備等の設置及び維持に関する事項

消防法施行令(昭和36年政令第37)第13条第1項及び消防法施行規則(昭和36年自治省令第6)第6条第4項の適用に際しては、急速充電設備はこれらに規定される「その他これらに類する電気設備」に該当すること。

5 急速充電設備を屋外に設置する際の建築物との離隔距離及び急速充電設備を屋内に設置する際の不燃区画等について

「電気自動車用急速充電設備の安全対策に係る調査検討会」において、急速充電設備からの出火による建築物への延焼の危険性は低いと判断されたことから、屋外に設置する際の建築物との離隔距離及び屋内に設置する際の不燃区画等については不要としたこと。

また、変電設備の基準においては、「変電設備のある室内には、係員以外の者をみだりに出入させないこと」としていたが、急速充電設備にあっては、係員以外の者が使用することを可能としたこと。

6 その他

(1) 条例()第11条の2においては、当面設置が想定される全出力50kW以下のものを対象としているが、50kWを超えるもの又は蓄電池設備の容量が大きいもの等についての設置の相談があった場合には、当課まで連絡すること。

(2) 急速充電設備の設置の際の消防長(消防署長)への届出については不要であること。

(3) 給油取扱所に急速充電設備を設置する場合の取扱いについては、本通知によるほか、消防庁危険物保安室長から発出された「給油取扱所に電気自動車用急速充電設備を設置する場合における技術上の基準の運用について」(平成24年3月16日消防危第77)によられたいこと。

(問い合わせ先)

消防庁予防課

担当:児玉、古賀

TEL 03-5253-7523

FAX 03-5253-7533

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