消防危第89号

平成24年3月30日

各都道府県消防防災主管部長

東京消防庁・各指定都市長

消防庁危険物保安室長

 

認定事業所が行う変更工事に係る完成検査済証等の交付の迅速化に向けた手法について

 

石油コンビナート等災害防止法(昭和50年法律第84)第2条第2号に規定する石油コンビナート等特別防災区域内又はこれらの区域と同等の防災上の措置がなされているものとして認められる区域内の事業所のうち、市町村長等が工事管理を含む保安のための優れた体制を有することが実績からも明らかであると認める事業所(以下「認定事業所」という。)が行う危険物施設の特定の変更工事については、「危険物施設の変更工事に係る完成検査等について」(平成11317日付け消防危第22)に基づき、市町村長等は認定事業所の自主検査結果を活用して、当該危険物施設に赴かずに完成検査又は完成検査前検査(以下「完成検査等」という。)を実施することができることとされています。

このことについて、「規制改革推進のための3か年計画(再改定)(平成21331日閣議決定)において、認定事業所で発生した事故原因等について徹底した調査分析を行い、その結果も踏まえた上で、安全の確保を前提に、認定事業所が検査結果を届け出た時点をもって設備の使用開始を可能とすることの是非について検討を行うこととされました。

このことを踏まえ、消防庁では、平成21年度から平成22年度にかけて認定事業所における事故発生状況等について調査するとともに、平成23年度に「危険物施設の変更工事に係る完成検査等に関する調査検討会」(以下「調査検討会」という。)を開催し、認定事業所が行う危険物施設の変更工事に係る手続のあり方について検討を行ってきたところです。

調査検討会の検討結果では、認定事業所における事故原因等の分析結果を踏まえると、認定事業所が自主検査結果を届け出た時点をもって設備の使用開始を可能とすることは困難であり、引き続き市町村長等が書面で完成検査等を実施する体制が必要であるとの結論が得られたことに加え、認定事業所が行う危険物施設の変更工事に係る手続の迅速化に向けた手法のあり方が取りまとめられました。

認定事業所が行う危険物施設の変更工事に係る完成検査済証及びタンク検査済証(以下「完成検査済証等」という。)については、既に各市町村長等において迅速な交付に努めていただいているところですが、調査検討会の検討結果を踏まえ、認定事業所が行う変更工事に係る完成検査済証等の交付の迅速化に向けた手法について、下記のとおり取りまとめましたので、「認定事業所における完成検査済証交付の一層の迅速化について」(平成211120日付け消防危第207)で示した取組事例に加え、当該手法も御参考の上、引き続き認定事業所における完成検査済証等の迅速な交付の推進をお願いします。

貴職におかれましては、貴管内の市町村(消防の事務を処理する一部事務組合等を含む。)に対してもこの旨周知されるようお願いします。

なお、本通知は消防組織法(昭和22年法律第226)第37条の規定に基づく助言として発出するものであることを申し添えます。

 

 

認定事業所が行う変更工事に係る完成検査済証等の交付の迅速化に当たっては、各市町村等における完成検査等の実施体制やインターネット通信回線の使用状況等を踏まえた適切な方法を選択することを前提に、電子メールによる完成検査等の申請及び完成検査済証等の事前送付も有効であることから、必要に応じて認定事業所の意向等も確認した上で、当該手法が完成検査済証等の迅速な交付に資するものであると認められる場合には、次に示す具体的な方法を参考に当該手法を採用されたいこと。

1 認定事業所は完成検査等に必要な申請書類を当該事業所の所在地を管轄する消防本部に電子メールを用いて送付する。なお、認定事業所は、完成検査等に係る手数料の納付に関することも含めて、完成検査等に係る申請書類を電子メールで送付することについて事前に消防本部へ相談すること。

2 電子メールを受け取った消防本部は、申請書類を用いて完成検査等を実施し、消防法令に規定される危険物施設の技術上の基準に適合していると認められる場合には、作成した完成検査済証等をPDF形式等に電子化し、当該完成検査等の申請をした事業所に電子メールを用いて送付する。

3 認定事業所は、消防本部から電子メールを用いて送付された完成検査済証等を確認した時点で、危険物施設の使用を開始することができる。

4 認定事業所は、速やかに電子メールを用いて送付した完成検査等に係る申請書類(書面)を消防本部に提出し、完成検査済証等(原本)を受け取る。

以上

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