消防消第214号

消防予第384号

消防危第190号

消防特第167号

平成22年9月3日

各都道府県知事

各政令指定都市市長 殿

消防庁長官

 

「化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律施行令附則第3項の規定により読み替えて適用する同令第3条の3の表PFOS又はその塩の項第4号に規定する消火器、消火器用消火薬剤及び泡消火薬剤に関する技術上の基準を定める省令」の公布について(通知)

 

化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律施行令附則第3項の規定により読み替えて適用する同令第3条の3の表PFOS又はその塩の項第4号に規定する消火器、消火器用消火薬剤及び泡消火薬剤に関する技術上の基準を定める省令(平成22年総務省、厚生労働省、経済産業省、国土交通省、環境省、防衛省令第1号。以下「省令」という。)が平成2293日に公布されました。

今回の省令の制定は、平成215月に開催された残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約第4回締約国会議において、一部の消火器、消火器用消火薬剤及び泡消火薬剤に含まれているペルフルオロオクタンスルホン酸(以下「PFOS」という。)又はその塩が新規規制対象物質として条約付属書Bに追加されたことを踏まえ、我が国においても化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律(昭和481016日法律第117)及び化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律施行令(昭和49年政令第202)が一部改正されたことにより、PFOS又はその塩が新たに第一種特定化学物質として指定され、PFOS又はその塩を含有する製品の新規製造及び輸入が原則として禁止されるとともに、業として第一種特定化学物質等を取り扱う場合においては、技術上の基準に従わなければならないとされたことから、技術上の基準を定める省令を新たに設けるものです。

貴職におかれては、下記事項に留意の上、その運用に十分配慮されるようお願いします。また各都道府県にあっては、貴都道府県内の市町村(消防の事務を処理する一部事務組合等を含む。)に対してもこの旨周知されるようお願いします。

 

 

1 定義に関する事項

省令上の用語の意義として、次のとおり定められたこと(省令第1条関係)

(1) 消火器等

消火器、消火器用消火薬剤又は泡消火薬剤をいう。

(2) 泡消火薬剤等

消火器用消火薬剤又は泡消火薬剤をいう。

(3) 取扱事業者

業として消火器等を使用する者その他の業として消火器等を取り扱う者をいう。

(4) 汚染物

PFOS又はその塩を含む廃液又はPFOS又はその塩が付着している布その他の不要物をいう。

 

2 保管に関する事項

取扱事業者は、泡消火薬剤等又は汚染物を入れた容器を保管する場合には、泡消火薬剤等又は汚染物が漏れ、こぼれる等のおそれがない密閉式の構造の堅固な容器であって、浸透しにくい材料を用いて製作されたものに収め、泡消火薬剤等又は汚染物を入れた容器は屋内に保管し、床面をコンクリートとする措置等を講ずることとされたこと(省令第2条関係)

 

3 表示に関する事項

取扱事業者は、泡消火薬剤等を入れた容器を保管するときは、泡消火薬剤等を入れた容器及び保管している場所の見やすい箇所に、泡消火薬剤等を保管している旨を、汚染物を入れた容器を保管するときは、汚染物を入れた容器の見やすい箇所に、汚染物を保管している旨を表示することとされたこと(省令第3条関係)

 

4 移替えに関する事項

取扱事業者は、泡消火薬剤等の移替えを行うときは、ポンプ等により行い、泡消火薬剤等の移替えに係る容器に受皿を設ける等必要な措置を講ずること等とされたこと(省令第4条関係)

 

5 容器等の点検に関する事項

取扱事業者は、容器から泡消火薬剤等が漏出していないこと、容器に損傷又は腐食が生じていないこと及び床面等をひび割れがないことについて定期的に点検し、その点検の結果の記録を5年間保存するとともに、泡消火薬剤等を入れた容器等に異常が認められた場合は、速やかに補修その他の必要な措置を講じなければならないとされたこと(省令第5条関係)

 

6 漏出した場合の処理に関する事項

取扱事業者は、消火器等を保管する場合又は泡消火薬剤等の移替えを行う場合において、泡消火薬剤等が漏出したときは、速やかに漏出拡大の防止のための必要な応急措置等を講ずることとされたこと(省令第6条関係)

 

7 帳簿の作成及び保存に関する事項

取扱事業者は、事業所ごとに、泡消火薬剤等の保管数量を記載した帳簿を作成することとし、当該帳簿は最終の記入をした日から5年間保存しなければならないとされたこと(省令第7条関係)

 

8 訓練及び点検時における措置に関する事項

取扱事業者は、消火器等を訓練又は点検において使用する場合は、放出した泡消火薬剤等を回収するとともに、回収した泡消火薬剤等又は泡消火薬剤等をふき取った布等を、密閉できる容器に入れて保管しなければならないとされたこと(省令第8条関係)

 

9 施行期日

平成22101日から施行するものとされたこと(省令附則関係)

 

以上

 

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