消防危第19号

平成21年2月5日

各都道府県消防防災主管部長

東京消防庁・各政令指定都市消防長 殿

消防庁危険物保安室長

 

移動タンク貯蔵所等に対する立入検査結果について

 

平成201010日付け消防危第359号により、平成2011月1日から30日までの期間に実施をお願いした移動タンク貯蔵所等に対する立入検査の実施結果について、別添1及び別添2のとおりまとめましたので送付します。

これによると、移動タンク貯蔵所等における基準不適合車両の割合は18.98(前年18.66)と最近の5年間からみた基準不適合車両の割合は横ばいの状況ですが、前年と比べ0.32ポイントの増加となり、依然高い水準に位置しています。

なかでも、移動タンク貯蔵所における立入検査の重点項目として挙げている電気設備、設置導線の不良等は653(729)と減少したものの、定期点検に係る義務違反は1,762(1,674)、また完成検査済証等備付け義務違反は730(658)と増加しており、憂慮される状況です。

従前から移動タンク貯蔵所に対する指導については、「移動タンク貯蔵所に係る消防法の一部改正等に伴う立入検査及び命令の運用について」(昭和61年12月26日付け消防危第120号)により御尽力いただいているところですが、別記「危険物の移送等における保安確保のための留意事項」に重点を置いた指導をするとともに、昨年移動タンク貯蔵所による移送時に、社会的影響の大きい事故が発生していることから、特に移送中における危険物の保安の確保について細心の注意を払うよう注意喚起をお願いします。

都道府県消防防災主管部長におかれましては、貴都道府県内の市町村等に対してもこの旨周知していただくようお願いします。

また、この結果については、別添3のとおり()全日本トラック協会、日本貨物運送協同組合連合会及び日本危険物物流団体連絡会にも通知し、注意喚起をしていますので参考として添付します。

なお、本通知は消防組織法(昭和22年法律第226)第37条の規定に基づく助言として発出するものであることを申し添えます。

 

別記

 

危険物の移送等における保安確保のための留意事項

 

移動タンク貯蔵所による危険物の移送及び危険物の運搬における事故防止のため、移送については下記1、運搬については下記2に掲げる事項に留意し、安全の確保を図る。特に、今回の立入検査の結果を踏まえ、移動タンク貯蔵所に係る事故の発生を防止するとともに、事故が発生した場合においても被害の拡大を防止するため、下記3に掲げる事項を重点項目として、安全確保の徹底を図る。

 

 

1 移動タンク貯蔵所を所有、管理する関係者に対する留意事項

(1) 移動タンク貯蔵所の設備及び維持管理に関する事項

ア 必要な消火設備(消火器は2個以上)の設置と維持管理

イ 貯蔵する危険物に係る表示及び標識の適正な掲示と維持管理

ウ 配管、弁等の適正な維持管理

エ 移動タンク貯蔵所の常置場所の位置確認

(2) 貯蔵、取扱い及び移送に関する事項

ア 危険物取扱者の乗車及び移送前の危険物取扱者免状携帯の確認

イ 乗車する危険物取扱者の危険物取扱者免状の交付年月日又は保安講習の受講確認及び危険物取扱者の計画的な保安講習の受講

ウ 移送前の点検及び移送に際しての保安措置の励行等移送の基準遵守の徹底

2 危険物の運搬車両を所有、管理する関係者に対する留意事項

(1) 指定数量以上の危険物を運搬する車両の標識及び消火設備の設置並びにその点検等維持管理の徹底

(2) 運搬前における、容器の蓋の閉め忘れ防止及び容器の固定等法令に定められた積載方法確認の徹底

(3) 必要なイエローカード又は容器イエローカードの携行の徹底

3 重点項目

(1) 閉鎖不良が重大な事故につながるおそれのあるマンホールのふた及び底弁の閉鎖の徹底

(2) 電気設備又は接地導線の不良の発生(断線等)を防止するため維持管理の徹底

(3) 定期点検(特に5年以内の期間ごとの漏れの点検)の実施と、その結果及び完成検査済証の車両への備付けの徹底

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