消防特第35号
平成19年3月20日
関係道府県消防防災主管部長 殿
消防庁特殊災害室長
石油コンビナート等特別防災区域における特定事業所の立入検査及び違反処理について
平成15年9月に北海道苫小牧市内の石油精製事業所で発生した浮き屋根式タンクの全面火災を受け、消防法及び石油コンビナート等災害防止法の一部を改正する法律(平成16年法律第65号)が制定され、防災業務の適正化及び責任の明確化と防災規程の実効性の確保とそれに伴う行政の関与等が明確にされました。これにより、市町村長等は、特定事業者に対し、防災業務の改善措置、防災規程の変更等を命ずることが可能となったところです。
このような状況を踏まえ、市町村長等が石油コンビナート等特別防災区域における特定事業所(以下「特定事業所」という。)に対して行う立入検査及び違反処理を効果的に行い、災害の発生又は拡大を防止することを目的として、「特定事業所の立入検査マニュアル」及び「特定事業所の違反処理マニュアル」を作成しました。
貴道府県にあっては下記事項に留意し、これらを特定事業所の立入検査、違反是正、保安確保等に活用されるとともに、貴道府県内の関係市町村に対しても、この旨周知されるようよろしくお願いします。
記
1 趣旨等
(1) 趣旨
「特定事業所の立入検査マニュアル」及び「特定事業所の違反処理マニュアル」は、市町村長等が特定事業所に対して実施する標準的な立入検査及び違反処理の方法、立入検査時に確認する着眼項目及びチェック方法等を効果的で重点的な立入検査及び違反処理の実施により、災害の発生又は拡大の防止を図るため取りまとめたものであること。
また、本マニュアルの活用に当たっては、法令遵守や事故防止に関する自主的取組の推進が図られるよう、特定事業者への保安情報の提供、立入検査、違反是正の際の指導、助言等に留意されたいこと。
(2) 適用範囲
本マニュアルは基本的に特定事業所を適用範囲とするものであり、石油コンビナート等災害防止法に基づき市町村長又は都道府県知事が行う立入検査・違反処理を対象としていること。
よって、防火対象物に関する立入検査、違反処理については「『立入検査マニュアル』及び『違反処理マニュアル』の送付について」(平成14年8月30日付け消防安第39号)、危険物施設に関する立入検査、違反処理については「危険物施設における立入検査及び違反是正の推進について」(平成14年10月23日付け消防危第503号)によること。
2 マニュアルの構成・内容
(1) 特定事業所の立入検査マニュアル(別添1)
立入検査の的確かつ円滑な実施に資することを目的とするものであり、「検査手順」、「実施事項」及び「解説等」で構成されている。「検査手順」をフローチャートにより示し、その具体的な「実施事項」を検査手順に沿って整理し、立入検査に当たっての留意点や法令の解釈等について「解説等」において記述している。
(2) 特定事業所の違反処理マニュアル(別添2)
「違反処理要領」と「違反処理基準」により構成されている。「違反処理要領」は、違反処理の迅速かつ的確な実施に資することを目的とするものであり、「処理手順」、「処理事項」及び「解説等」で構成されている。「違反処理基準」は違反処理の厳正、公平な実施に資することを目的とするものであり、警告、命令への移行の判断等を示している。