消防危第104号

平成9年10月22日

各都道府県消防主管部長 殿

消防庁危険物規制課長

 

危険物規制事務に関する執務資料の送付について(通知)

 

危険物規制事務に関する執務資料を別紙のとおり送付するので、執務上の参考とされたい。

また、貴管下市町村に対してもこの旨示達され、危険物行政の運用に遺漏のないよう御指導願いたい。

なお、本資料においては、法令名について次のとおり略称を用いたので承知されたい。

 

危険物の規制に関する政令(昭和 34年政令第 306)・・・・・令

危険物の規制に関する規則(昭和 34年総理府令第 55)・・・・・規則

 

別紙

 

製造所関係

問1 製造所への電動機新設工事の取扱いについて

製造所にエアコンプレッサー用の電動機を新設する旨の申し出があり、新設工事の内容について資料の提出を求めたところ、危険場所の範囲内に電動機を設置する工事であったため、保安上影響を及ぼすおそれがあるものと判断し、変更許可の手続きをとらせることとしてよいか。

また、工事の内容が、危険場所の範囲外の火災予防上支障ない位置に電動機を設置する工事である場合には、変更許可の手続きを要しないものとして取り扱うこととしてよいか。

答 前段及び後段ともに差し支えない。

 

問2 負圧のタンクの水圧試験の実施方法について

屋内に設置される減圧して使用する危険物取り扱いタンクの水圧試験は最大常用圧力(-760mm水柱)の絶対値の1.5倍の圧力で10分間行うこととして差し支えないか。

答 差し支えない。

 

屋外タンク貯蔵所関係

問3 屋外タンク貯蔵所のアルミ製ドームについて

(1) 令第11条に規定されている既設浮屋根構造の屋外タンク貯蔵所にアルミ製ドームを設置する旨の申し出があるが、アルミ製ドームを固定屋根として捉え令第23条を適用し許可しても差し支えないか。

なお、アルミ製ドームの概要は次のとおりであり、危険物保安技術協会の性能評定を受け、安全性について確認する予定である。

[アルミ製ドームの概要]

① ウルトラフロート社製ウルトラドーム

三角形のトラス構造によるドーム形式の屋根で中間に支柱を有しないもので、三角形被覆用板をボルトにより、三角を構成するトラスのH型ビームに固定し、外周の構造材とボルト又は溶接により屋外貯蔵タンクの側板上部に固定するものである。

なお、ドーム表面のジョイントやシームは、シーラントを用いることなく防水性を確保している構造となっている。

② 材質

三角形を構成するトラス、ベース・・・6061-T1又は6351-T5

内部テンション・リング・・・6061-T1又は6351-T5

三角形被覆用板・・・3003-H16 3003-H16又は同等品

(2) また、許可するとした場合、側板等の応力評価が必要不可欠と考えられるため、タンク本体の変更として捉えることで支障ないか。

(1) 令第11条に定める浮き屋根が設置されているので、ドームを設置することにより、構造上も保安上も既設タンクの安全性が損なわれることがないことが確認できれば、ドームの材質、板厚、構造等について令第23条を適用して差し支えない。

(2) 差し支えない。

 

給油取扱所関係

問4 給油取扱所の変更工事の取扱いについて

(1) 危険物保安技術協会が行う型式試験確認に合格した固定給油設備の取替工事に併せ、以下の変更工事のいずれかを行う場合、これらの変更工事は資料提出を要さない軽微な変更工事に該当するか。

ア 固定給油設備の給油ホースの長さを変更する工事

イ 給油ホースの先端における最大吐出量を変更する工事

ウ ホーススライド機能の追加工事

エ 固定給油設備の外装を大きくする工事等に伴い危険場所の範囲が変更前より拡大される工事

オ 固定給油設備の給油ホースの数を変更する工事

カ 油種判定機能の追加工事又は削除工事

(2) 門型洗車機の取替工事に併せ、以下の変更工事のいずれかを行う場合、これらの変更工事のうちア及びイを資料提出を要する軽微な変更工事として、ウを資料提出を要しない軽微な変更工事としてを取り扱って差し支えないか。

ア レールの更新等により洗車機の可動範囲が変わる工事

イ 洗車機に電光看板を設置する工事(危険場所の範囲外に設けるものに限る。)

ウ 洗車機の洗車用ブラシの更新工事

(1) 該当しない。

(2) 差し支えない。

設問中(2)ウ以外の変更工事にあたっては、工事の事前に工事内容について資料の提出を求め、変更工事内容が法第10条第4項の技術基準の内容と関係がない場合又は技術基準の内容と関係が生じるとしても保安上影響を及ぼさない軽微な変更工事である場合には、変更許可の手続を必要としないものとして運用されたい。

 

問5 メタノール給油取扱所について

第四類第一石油類(非水溶性)に該当する以下の危険物を自動車に給油する給油取扱所は令第17条第4項の基準を満足する必要があるか。

[危険物の成分及びそれぞれの含有率]

メタノール(第四類アルコール類) 50

その他混合物(第四類第一石油類(非水溶性)) 50

答 お見込みのとおり。

 

問6 給油取扱所の建築物の用途について

規則第25条の4第1項第2号に掲げる給油取扱所の建築物の用途については、「給油取扱所の技術上の基準に係る運用上の指針について」(昭和62年4月28日消防危第38号)により「キャバレー、ナイトクラブ、ぱちんこ店、ゲームセンター等風俗営業に係るもの、理容室、美容室等は、主としてこれらの者以外の者を対象とすることが明らかであるので、②の用途から除かれるものであること。」とされているが、実態上「給油、灯油の詰替え又は自動車等の点検・整備若しくは洗浄のために給油取扱所に出入りする者を対象とするもの」と認められる理容室等にあっては、設置を認めて差し支えないか。

 認めて差し支えない。

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