消防危第43号

昭和63年4月4日

各都道府県消防主管部長 殿

消防庁危険物規制課長

 

移動タンク貯蔵所の漏洩事故防止について

 

最近、比較的小容量のアルミニウム合金製積載式移動タンク貯蔵所の貯蔵タンク本体及び貯蔵タンクを支持する当て板(以下「タンク本体等」という。)に亀裂を生じている事例が消防機関の立入検査において数多く発見されている実態にある。

当庁に報告のあった事例を見ると、当て板に生じている亀裂は、脚部の先端部付近に集中して発生しており、また、これらの亀裂が貯蔵タンク部分まで進展しているものもあり、このうち漏洩しているものが数例確認されている。(別図参照)

これらの亀裂は、貯蔵危険物等の荷重及び走行中の振動等により脚部先端部のタンク本体等に集中して繰り返し応力が発生したため、タンク本体等の金属疲労か進み、生じたものと推定される。

これらタンク本体等の亀裂及びこれによる危険物の漏洩等の事故を防止するためには、タンク本体等に生じている亀裂の新たな進展、当該部位への応力の集中、タンク支持部の変形等を防止することによるタンク本体等の補強及びタンク脚部の剛性の確保等の措置を講じることが必要となつている。

そこで、類似の移動タンク貯蔵所について同種の事例が発生しているか否かについて立入検査、定期点検の機会を把え確認を行うとともにタンク本体等に亀裂が発見されたものについては上記措置に留意するとともに、タンク本体等に亀裂の生じていないものについても日常点検の強化を図らせる等事故防止のための指導にあたられるようお願いする。

おつて、貴管十市町村に対してもこの旨示達され、よろしく御配慮願いたい。

 

別図(タンク本体等にみられる亀裂例)(省略)

 

 

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