毒物及び劇物の貯蔵に関する構造・設備等基準の一部改正について(通知)

昭和6045日 薬発第377

宛 各都道府県知事

発 厚生省薬務局長

 

毒物及び劇物の貯蔵に関する構造・設備等基準については、昭和521020日薬発第1175号をもつてその1(固体以外のものを貯蔵する屋外タンク貯蔵所の基準)を、また昭和56520日薬発第480号をもつてその2(固体以外のものを貯蔵する屋内タンク貯蔵所の基準)及びその3(固体以外のものを貯蔵する地下タンク貯蔵所の基準)を通知したところであるが、今般別添1、2及び3のとおり、前記基準の「8 検査等」をそれぞれ改正したので、左記の改正の要点に留意の上、その実施に遺憾のないよう関係各方面に対し周知徹底を図られたい。

 

 

1 異常の早期発見の観点から、検査の種類を「日常点検」、「定期検査」及び「精密検査」に分け明確にしたこと。(地下タンク貯蔵所については日常点検として漏えいを覚知するための装置などによる漏えい点検に代えて差し支えないこととした。)

2 定期検査は1年に1回以上点検表に基づいて異常の有無を検査することとし、その記録を3年間保存することとしたこと。

また、地震の発生した場合には、その規模に応じ、直ちに定期検査に準じた検査を行うこととしたこと。

3 液体の毒物又は劇物を貯蔵する屋外に設置された盛土上の平底円筒形タンクについては、その容量の大小にかかわらず、?なくとも年1回定期検査として沈下状況を測定するとともに、その結果、タンクの直径に対する不等沈下の数値の割合が容量1,000kL以上のものについては1/100以上、1,000kL未満のものについては1/50以上生じたタンクについて内部開放検査等の「精密検査」を行うこととしたこと。

4 毒物にあっては1,000kL以上、劇物にあっては1kL以上の液体を貯蔵するタンクで前回精密検査の日から10年を経過したタンクについては、精密検査を行うこととしたこと。

 

別添1

 

毒物及び劇物の貯蔵に関する構造・設備等基準

その1(固体以外のものを貯蔵する屋外タンク貯蔵所の基準)

 

1 設置場所

タンクは当該毒物又は劇物の漏えい等による保健衛生上の危害を防止することができるように、当該事業所内で敷地境界線から十分離れた場所に設置すること。

2 基礎

タンクの基礎は有害な不等沈下を生じないよう堅固な地盤の上に施工すること。支柱のあるタンクにあってはその支柱を、枕型タンクにあってはそのサドルを同一の基礎に固定すること。

ただし、盛砂基礎の上に直接据え付ける円筒たて型タンクは除く。

3 タンク

(1) タンクは必要な性能を有する材料で気密(不揮発性のものを除く。)に造ること。

大気圧タンクにあっては水張試験(水以外の適当な液体を張って行う試験を含む。以下同じ。)低圧タンクにあっては最大常用圧力の1.5倍の圧力で10分間行う耐圧試験にそれぞれ合格するとともに、使用中に漏えい又は顕著な永久変形を来たさないものであること。

(2) タンクには必要に応じ防食措置を講ずること。

特にタンクの底板を地盤面に接して設けるものにあっては、底板の外面は内容物及びタンクの構造、設置場所に応じた防食措置を講ずること。

(3) タンクには溢流又は過充てんを防止するため当該毒物又は劇物の量を覚知することができる装置を設けること。

(4) 低圧タンクにあっては、最大常用圧力を超えた場合に、直ちに最大常用圧力以下に戻すことができる安全装置を、大気圧密閉タンクにあっては大気圧よりタンク内圧が著しく上下することを防止する通気管等をそれぞれ設け、かつ各開口部は必要に応じ当該毒物又は劇物の除害装置内に導くこと。

4 流出時安全施設

漏えいした毒物又は劇物を安全に収容できる施設又は除害、回収等の施設を設け、当該毒物又は劇物が貯蔵場所外へ流出等しないような措置を講ずること。

5 配管等

(1) 配管、タンクとの結合部分及び管継手(以下「配管等」という。)は、当該毒物又は劇物に対して十分な耐食性を有する材料で造ること。

(2) 配管等は最大常用圧力の1.5倍以上の圧力で耐圧試験を行つたとき、漏えいその他の異常がないものであること。

(3) 配管等は移送される当該毒物又は劇物の重量、内圧、付属設備を含めた自重並びに振動、温度変化その他の影響に十分耐え得る構造とすること。

ただし、保健衛生上特に重要な配管等にあっては風圧及び地震にも十分耐え得る構造とすること。

(4) 配管の破壊にいたるような伸縮を生ずる恐れのある箇所には、当該伸縮を吸収し得る措置を講ずること。

(5) 配管は地震等により当該配管とタンクとの結合部分に損傷を与えないように設置すること。

(6) 配管を地上に設置する場合は、地盤面に接しないようにするとともに、かつその見易い箇所に毒物又は劇物の名称その他必要な事項を記載した標識を設けること。

(7) 配管を地下に設置する場合は、必要に応じ保護管とするほか、配管の接合部分(溶接による接合部分を除く。)に当該毒物又は劇物の漏えいを点検することができる措置を講ずること。

なお、非金属性の配管を地下に設置する場合は原則として鋼製の保護管を設け配管の接合部分には当該毒物又は劇物の漏えいを点検できる措置を講ずること。

(8) 配管等には必要に応じ、防食措置を講ずること。

6 バルブ等

(1) バルブ及びコック(以下「バルブ等」という。)は当該毒物又は劇物の物性に応じた耐食性と強度を有する材料で造り、かつ毒物又は劇物が漏えいしないものであること。

(2) バルブ等は最大常用圧力の1.5倍以上の圧力で耐圧試験を行つたとき、漏えいその他の異常がないものであること。

(3) 高圧用及び振動・衝撃を受けるバルブ等にあっては原則として、鋳鉄製又は非金属性の弁体を用いてはならない。またハンドル回しを必要とするバルブ等にあっては、制限トルク以上にならないようなハンドル回しを備えること。

(4) 誤操作等により保安上重大な影響を与えるバルブ等にあっては、当該バルブ等の開閉方向を明示し、かつ開閉状態が容易に識別できるような措置を講ずるとともに、当該バルブ等に近接する配管に、容易に識別できる方法で毒物又は劇物の名称及びその流れの方向を明示すること。

(5) (4)に規定するバルブ等であって通常使用しないもの(緊急用のものを除く。)にあっては施錠、封印又はこれらに類する措置を講ずること。

7 ポンプ設備(液体の毒物又は劇物を送り出す設備)

(1) 毒物又は劇物をタンク車、タンクローリ、船等に送り出しする貯蔵施設には、圧送ポンプ設備、ヘッドタンク又はその他の安全な加圧設備を設けること。

(2) ポンプ設備は、原則として堅固な基礎又は架台の上に固定すること。

(3) ポンプ設備には、その直下の地盤面の周囲に高さ0.15m以上の囲い又は集液溝を設けるとともに、当該地盤面を当該毒物又は劇物が浸透しない材料で覆い、かつ適当な傾斜及びためますを設けること。

8 検査等

(1) 日常点検

タンク、配管、バルブ及びポンプ設備は漏えい、腐食、き裂等の異常を早期に発見するため、原則として1日に1回以上異常の有無を点検すること。

(2) 定期検査

原則として、1年に1回以上点検表に基づいて、異常の有無を検査し、その結果を記録として3年間保存すること。

また、地震の発生した場合は、地震の規模に応じ、直ちに、定期検査に準じた検査を行うこと。

(3) 沈下状況の測定

タンクのうち、液体の毒劇物を貯蔵する屋外に設置された盛土上の平底円筒形タンクについては、?なくとも年1回タンクの外側から、原則として水準儀その他の計測器を用いてその沈下状況を測定すること。

(4) 精密検査

下記のタンクについては、内部開放検査等の精密検査を行うこと。

イ 日常点検、定期検査により著しい腐食、き裂など重大な異常が認められたタンク。

ロ (3)における沈下状況の結果、タンクの直径に対する不等沈下の数値の割合が、容量1,000kL以上のものについては1/100以上、1,000kL未満のものについては1/50以上生じたタンク。

ハ 内容量が毒物にあっては1,000kL以上、劇物にあっては1kL以上の液体を貯蔵する屋外タンクで、前回精密検査の日から10年を経過したタンク。

(5) 送り出し又は受け入れに使用するホース(フレキシブルチューブを含む。)及びその接続用具は、その日の使用を開始する前に検査すること。

(6) ライニングを施したタンク等のうち、ライニングが損傷するとタンク本体を著しく腐食する毒物又は劇物を貯蔵するものにあっては、?なくとも2年に1回ライニングの検査を行うこと。

検査箇所はタンク本体、ライニング全部、通気管、主配管及びその他付属配管(タンク出口よりバルブまで)とする。

(7) 安全弁は?なくとも年に1回検査を行うほか、特に腐食性のあるものの場合は6カ月に1回検査を行うこと。

(8) 異常が発見された場合は、直ちに必要な措置を講ずること。

(9) 修理の際は、予め、作業計画及び当該作業の責任者を定め、当該作業計画に従い、かつ当該作業責任者の監督の下に行うこと。

(10) 修理が完了したときは、その修復状態を確認した後に使用を開始すること。

 

別添2

 

毒物及び劇物の貯蔵に関する構造・設備等基準

その2(固体以外のものを貯蔵する屋内タンク貯蔵所の基準)

 

1 設置場所

タンクは毒物又は劇物の漏えい等による保健衛生上の危害を防止することができるように、原則として専用の部屋又はこれに準ずる施設内(以下「屋内タンク室」という。)に設置すること。

2 屋内タンク室

(1) 屋内タンク室は必要な強度を有する構造物とし、かつ、その床、壁等は毒物又は劇物の物性に応じた耐食性を有する材料で造るか、又は当該毒物又は劇物により侵食されにくい材料で被覆するなど当該毒物又は劇物が浸透しないよう必要な措置を講ずること。

(2) 屋内タンク室には必要に応じ照明、換気等の設備及び毒物又は劇物の漏えい等を覚知するための装置を設けること。

(3) 屋内タンク室の壁とタンクとの間及び同一の屋内タンク室にタンクを2以上設置する場合におけるそれらのタンクの相互間に0.5m以上の間隔を保つこと。

(4) 屋内タンク室には漏えいした毒物又は劇物が貯蔵場所外へ流出しないような措置(流出時安全施設の設置を含む。)を講ずること。

3 タンク

(1) タンクは堅固な床又は架台の上に設置すること。

(2) タンクは必要な性能を有する材料で気密(不揮発性のものを除く。)に造ること。

大気圧タンクにあっては水張試験(水以外の適当な液体を張って行う試験を含む。)に低圧タンクにあっては最大常用圧力の1.5倍の圧力で10分間行う耐圧試験にそれぞれ合格するとともに、使用中に漏えい又は顕著な永久変形を来たさないものであること。

(3) タンクには溢流又は過充てんを防止するため、毒物又は劇物の量を覚知することができる装置を設けること。

(4) タンクには必要に応じ防食措置を講ずること。

(5) 低圧タンクにあっては、最大常用圧力を超えた場合に直ちに最大常用圧力以下に戻すことができる安全装置を、大気圧密閉タンクにあっては、大気圧よりタンク内圧が著しく上下することを防止する通気管等をそれぞれ設け、かつ、各開口部は必要に応じ毒物又は劇物の除害装置内に導くこと。

4 流出時安全施設

漏えいした毒物又は劇物を安全に収容できる施設又は除害、回収等の施設を設け、当該毒物又は劇物が貯蔵場所外へ流出しないような措置を講ずること。

5 配管等

(1) 配管、タンクとの結合部分及び管継手(以下「配管等」という。)は、毒物又は劇物に対して十分な耐食性を有する材料で造ること。

(2) 配管等は最大常用圧力の1.5倍以上の圧力で耐圧試験を行つたとき、漏えいその他の異常がないものであること。

(3) 配管等は移送される毒物又は劇物の重量、内圧、付属設備を含めた自重並びに振動、温度変化その他の影響に十分耐え得る構造とすること。

(4) 配管の破壊にいたるような伸縮を生ずる恐れのある箇所には、当該伸縮を吸収し得る措置を講ずること。

(5) 配管は地震等により当該配管とタンクとの結合部分に損傷を与えないように設置すること。

(6) 配管にはその見やすい箇所に毒物又は劇物の名称その他必要な事項を記載した標識を設けること。

(7) 配管には必要に応じ防食措置を講ずること。

(8) 配管は原則として地盤面に接している床及び壁を貫通させないこと。

ただし、配管と床又は壁との貫通部分に損傷を与えないよう必要な措置が講じられている場合にはこの限りでない。

6 バルブ等

(1) バルブ及びコック(以下「バルブ等」という。)は、毒物又は劇物の物性に応じた耐食性と強度を有する材料で造り、かつ、当該毒物又は劇物が漏えいしないものであること。

(2) バルブ等は最大常用圧力の1.5倍以上の圧力で耐圧試験を行つたとき、漏えいその他の異常がないものであること。

(3) 高圧用及び振動・衝撃を受けるバルブ等にあっては、原則として鋳鉄製又は非金属製の弁体を用いてはならない。また、ハンドル回しを必要とするバルブ等にあっては、制限トルク以上にならないようなハンドル回しを備えること。

(4) 誤操作等により保安上重大な影響を与えるバルブ等にあっては、当該バルブ等の開閉方向を明示し、かつ、開閉状態が容易に識別できるような措置を講ずるとともに、当該バルブ等に近接する配管に、

容易に識別できる方法で毒物又は劇物の名称及びその流れの方向を明示すること。

(5) (4)に規定するバルブ等であって通常使用しないもの(緊急用のものを除く。)にあっては、施錠、封印又はこれらに類する措置を講ずること。

7 ポンプ設備

(1) 毒物又は劇物をタンク車、タンクローリ、船等に送り出しする貯蔵施設には、圧送ポンプ設備、ヘッドタンク又はその他の安全な加圧設備を設けること。

(2) ポンプ設備は、原則として堅固な基礎、床又は架台の上に固定すること。

(3) 屋内タンク室の外に設けるポンプ設備は、その直下の地盤面の周囲に高さ0.15m以上の囲い又は集液溝を設けるとともに、当該地盤面を毒物又は劇物が浸透しない材料で覆い、かつ、適当な傾斜及びためますを設けること。

8 検査等

(1) 日常点検

タンク、配管、バルブ及びポンプ設備は漏えい、腐食、き裂等の異常を早期に発見するため、原則として1日に1回以上異常の有無を点検すること。

(2) 定期検査

原則として、1年に1回以上点検表に基づいて、異常の有無を検査し、その結果を記録として3年間保存すること。

また、地震の発生した場合は、地震の規模に応じ、直ちに、定期検査に準じた検査を行うこと。

(3) 精密検査

下記のタンクについては、内部開放検査等の精密検査を行うこと。

イ 日常点検、定期検査により著しい腐食、き裂など重大な異常が認められたタンク。

ロ 内容量が毒物にあっては、1,000kL以上、劇物にあっては1kL以上の液体を貯蔵する屋内タンクで、前回精密検査の日から10年を経過したタンク。

(4) 送り出し又は受け入れに使用するホース(フレキシブルチューブを含む。)及びその用具は、その日の使用を開始する前に検査すること。

(5) ライニングを施したタンク等のうち、ライニングが損傷するとタンク本体を著しく腐食する毒物又は劇物を貯蔵するものにあっては、?なくとも2年に1回ライニングの検査を行うこと。

検査箇所はタンク本体、ライニング全部、通気管、主配管及びその他の付属配管(タンク出口よりバルブまで)とする。

(6) 安全弁は?なくとも年に1回検査を行うほか、特に腐食性のあるものの場合は6ケ月に1回検査を行うこと。

(7) 異常が発見された場合は、直ちに必要な措置を講ずること。

(8) 検査及び修理の際は、予め作業計画及び当該作業の責任者を定め、当該作業計画に従い、かつ、当該作業責任者の監督の下に行うこと。

(9) 修理が完了したときは、この修復状態を確認した後に使用を開始すること。

 

別添3

 

毒物及び劇物の貯蔵に関する構造・設備等基準

その3(固体以外のものを貯蔵する地下タンク貯蔵所の基準)

 

1 設置場所

タンクは毒物又は劇物の漏えい等による保健衛生上の危害を防止することができるように、原則として地盤面下の専用の部屋(以下「地下タンク室」という。)に設置すること。

この場合において、当該タンクに貯蔵する毒物又は劇物の種類、周囲の状況を考慮して地下タンク室の設置場所を定めること。

2 地下タンク室

(1) 地下タンク室は必要な強度を有する構造とし、かつ、その床、壁等は毒物又は劇物の物性に応じた耐食性を有する材料で造るか、又は当該毒物又は劇物により浸食されにくい材料で被覆するなど当該毒物又は劇物が浸透しないよう必要な措置を講ずること。

(2) 地下タンク室には毒物又は劇物の漏えい等を覚知するための装置を設けること。

(3) 当該タンクの周囲には、タンクの材質、毒物又は劇物の種類に応じ適切な措置を講ずること。また、地下タンク室の壁とタンクとの間に0.1m以上の必要な間隔を保つこと。

(4) 同一の地下タンク室にタンクを2以上設置する場合におけるそれらのタンクの相互間に0.5m以上の間隔を保つこと。

(5) 地下タンク室には漏えいした毒物又は劇物が貯蔵場所外へ流出しないような措置(流出時安全施設の設置を含む。)を講ずること。

3 タンク

(1) タンクは必要な性能を有する材料で気密(不揮発性のものを除く。)に造ること。

大気圧タンクにあっては水張試験(水以外の適当な液体を張って行う試験を含む。)に、低圧タンクにあっては最大常用圧力の1.5倍の圧力で10分間行う耐圧試験にそれぞれ合格するとともに、使用中に漏えい又は顕著な永久変形を来たさないものであること。

(2) タンクには溢流又は過充てんを防止するため、毒物又は劇物の量を覚知することができる装置を設けること。

(3) タンクには必要に応じ防食措置を講ずること。

(4) 低圧タンクにあっては、最大常用圧力を超えた場合に直ちに最大常用圧力以下に戻すことができる安全装置を、大気圧密閉タンクにあっては、大気圧よりタンク内圧が著しく上下することを防止する通気管等をそれぞれ設け、かつ、各開口部は必要に応じ毒物又は劇物の除害装置内に導くこと。

4 流出時安全施設

漏えいした毒物又は劇物を安全に収容できる施設又は除害、回収等の施設を設け、当該毒物又は劇物が貯蔵場所外へ流出しないような措置を講ずること。

5 配管等

(1) 配管、タンクとの結合部分及び管継手(以下「配管等」という。)は、毒物又は劇物に対して十分な耐食性を有する材料で造ること。

また、配管等には必要に応じ材料選択、設計を含めた防食措置を講ずること。

(2) 配管等は最大常用圧力の1.5倍以上の圧力で耐圧試験を行つたとき、漏えいその他の異常がないものであること。

(3) 配管等は移送される毒物又は劇物の重量、内圧、付属設備を含めた自重並びに振動、温度変化その他の影響に十分耐え得る構造とすること。

ただし、保健衛生上特に重要な配管等にあっては、地震にも十分耐え得る構造とする。

(4) 配管の破壊にいたるような伸縮を生ずる恐れのある箇所には、当該伸縮を吸収し得る措置を講ずること。

(5) 埋設配管は必要に応じ保護管とするほか、配管の接合部分(溶接による接合部分を除く。)に、毒物又は劇物の漏えいを点検することができる措置を講ずること。なお、非金属製の配管は原則として鋼製の保護管を設け配管の接合部位には毒物又は劇物の漏えいを点検できる措置を講ずること。

(6) 配管は原則として地盤面に接している床及び壁を貫通させないこと。

ただし、配管と床又は壁との貫通部分に損傷を与えないよう必要な措置が講じられている場合にはこの限りでない。

6 バルブ等

(1) バルブ及びコック(以下「バルブ等」という。)は、毒物又は劇物の物性に応じた耐食性と強度を有する材料で造り、かつ、当該毒物又は劇物が漏えいしないものであること。

(2) バルブ等は最大常用圧力の1.5倍以上の圧力で耐圧試験を行つたとき、漏えいその他の異常がないものであること。

(3) 高圧用及び振動・衝撃を受けるバルブ等にあっては、原則として鋳鉄製又は非金属製の弁体を用いてはならない。また、ハンドル回しを必要とするバルブ等にあっては、制限トルク以上にならないようなハンドル回しを備えること。

(4) 誤操作等により保安上重大な影響を与えるバルブ等にあっては、当該バルブ等の開閉方向を明示し、かつ、開閉状態が容易に識別できるような措置を講ずるとともに、当該バルブ等に近接する配管に、容易に識別できる方法で毒物又は劇物の名称及びその流れの方向を明示すること。

(5) (4)に規定するバルブ等であって通常使用しないもの(緊急用のものを除く。)にあっては、施錠、封印又はこれらに類する措置を講ずること。

7 ポンプ設備

(1) 毒物又は劇物をタンク車、タンクローリ、船等に送り出しする貯蔵施設には、圧送ポンプ設備その他の安全な加圧設備を設けること。

(2) ポンプ設備は、原則として堅固な基礎、床又は架台の上に固定すること。

(3) 地下タンク室の外に設けるポンプ設備は、その直下の地盤面の周囲に高さ0.15m以上の囲い又は集液溝を設けるとともに、当該地盤面を毒物又は劇物が浸透しない材料で覆い、かつ、適当な傾斜及びためますを設けること。

8 検査等

(1) 日常点検

タンク、配管、バルブ及びポンプ設備は漏えい、腐食、き裂等の異常を早期に発見するため、原則として1日に1回以上異常の有無を点検すること。

ただし、地下タンク室に設けられた漏えい等を覚知するための装置などによる漏えい点検に代えて差し支えない。

(2) 定期検査

原則として、1年に1回以上点検表に基づいて、異常の有無を検査し、その結果を記録として3年間保存すること。

また、地震の発生した場合は、地震の規模に応じ、直ちに、定期検査に準じた検査を行うこと。

(3) 精密検査

下記のタンクについては、内部開放検査等の精密検査を行うこと。

イ 日常点検、定期検査により著しい腐食、き裂など重大な異常が認められたタンク。

ロ 内容量が毒物にあっては1,000kL以上、劇物にあっては1kL以上の液体を貯蔵する地下タンクで、前回精密検査の日から10年を経過したタンク。

(4) 送り出し又は受け入れに使用するホース(フレキシブルチューブを含む。)及びその用具は、その日の使用を開始する前に検査すること。

(5) ライニングを施したタンク等のうち、ライニングが損傷するとタンク本体を著しく腐食する毒物又は劇物を貯蔵するものにあっては、?なくとも2年に1回ライニングの検査を行うこと。

検査箇所はタンク本体、ライニング全部、通気管、主配管及びその他の付属配管(タンク出口よりバルブまで)とする。

(6) 安全弁は?なくとも年に1回検査を行うほか、特に腐食性のあるものの場合は6ケ月に1回検査を行うこと。

(7) 異常が発見された場合は、直ちに必要な措置を講ずること。

(8) 検査及び修理の際は、予め作業計画及び当該作業の責任者を定め、当該作業計画に従い、かつ、当該作業責任者の監督の下に行うこと。

(9) 修理が完了したときは、その修復状態を確認した後に使用を開始すること。

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