消防予第158号
昭和45年8月4日
宛 鹿児島県
発 予防課長
ハウス園芸用等の暖房用燃料の貯蔵取り扱いについて
照会 近年県内各地の農家で促成作物等の栽培が行われておりますが、これらの暖房用燃料として灯油を使用しハウス内のバーナーにより熱風を造り自動温度調節器により温度を保持している現況でありますが、この燃料の貯蔵について、容量が危険物の規制を受ける施設であり、これが政令の定める基準に適合させる必要があり検討中であります。 つきましては、この規制については特例を適用すべき施設であり、いろいろ検討いたしておりますが次のような特例をかけることについての可否についてご教示ください。
設置される場所並びにその他取り扱い貯蔵する状況 部落からはもちろん、人家からも50m以上離れた広い農地で公共危険性もなく、しかも貯蔵する燃料タンクの容量は800L~1,200L(灯油)程度の屋外タンクがビニールハウス(7~10m)×(20~50m)の広さ1棟ごとに1基ずつ並列に設置され、自然流下でハウス内に設けられた自動温度調節器付バーナーに送られ、ハウス内の温度を熱風で上げ園芸作物を栽培している。 なお、1日の使用量は寒暖の程度、ハウスの広さでも異なるが、1日10L程度が最高と思われる。 以上のような状況にある施設について、次のような特例を適用することの可否について、 1 隣接タンクの間の空地については、政令に定める空地を確保させることは勿論であるが、畑と畑間の農道の境界線からは1m以上の空地を確保せしめることの可否 2 危険物の量を自動的に覚知することができる装置として連通管式の使用を認め、その材質は硝子管とし管の上下にコックを設けるとともに硝子管を保護するため金属管等で防護するとともに計量するとき以外はコックを閉じるよう指導することの可否 3 タンクの基礎については、別図の構造で認めることの可否 4 標識、掲示板については、同一畑、田の場合は1箇所にまとめて掲示せしめ、タンクについては危険物の品名、数量をタンクごとに記入せしめることの可否 5 消火設備については、同一敷地内に複数のタンクがある場合でも、最大容量のタンクに適応する第五種消火設備を1個以上設置せしめることの可否 6 バーナーへの送油管は耐油性ゴムホースを使用せしめる金属管の連結部については、バンド等でしめてはずれないよう考慮することの可否 7 既設使用であるので、最初の設置の場合のみ危険物の規制に関する政令第11条の規定に定める手続きをなさしめるものとし使用期間が終わるとタンクのみは収去され、また使用期間が始まるとタンクのみを設置するものであれば使用期間が終わりタンクのみが収去される場合は、休止届を提出せしめ、再び使用開始する場合は使用する日の10日前までに使用開始届を提出せしめ、現地で設置の状況を検収するのみとし危険物の規制に関する政令第11条の規定に定める手続きを省略できることの可否 なお、その他通気管、弁等については、危険物関係法令の規定に適合するよう設置する。 |
回答
1 設問については、当該タンクの周囲に危険物の規制に関する政令(以下「政令」という。)第11条第2号に規定された空地が確保されていれば、特に農道の境界線からの距離を考慮する必要はない。
2 さしつかえない。
3 設問の屋外貯蔵タンクが政令第11条第5号の規定による地震及び風圧に耐えるものであればさしつかえない。
4及び5 いずれもさしつかえない。
6 タンクからバーナーへ送油管で、農道等を横断する部分は、金属管を使用すること。その他の部分については設問のとおりでさしつかえない。
7 さしつかえない。
なお、この回答は、住宅等から遠く離れた田畑の中に設置される屋外タンク貯蔵所に限り適用されるもので念のため申し添える。