自消丙予発第76号
昭和40年4月19日
宛 浜松市消防長
発 予防課長
地下貯蔵タンクの「同等以上の強度を有する構造」とは
問 地下貯蔵タンクのタンク室の底の構造が、9mm鉄筋をピッチ25cmで格子状に配筋した、厚さ22cmの鉄筋コンクリート構造である場合は、危険物の規制に関する政令第13条第14号の規定における0.3m以上のコンクリート造と同等以上の強度を有する構造と認めてよいか。 なお、強度の計算方法もご教示願いたい。 |
答 設問の鉄筋コンクリートの構造は、厚さ0.3m以上のコンクリートと同等以上の強度を有するものとは解されない。
なお、計算方法は、次のとおりである。
厚さ0.3mのコンクリートの抵抗モーメントは、次の式により求める。
図 (省略)
MR=ft・L (1)
MR:抵抗モーメント(kg・cm)
ft:コンクリートのbd断面にかかる引張力でzab/2で表わす。(kg)
Z:コンクリートの引張許容応力度(5kg/cm2とする。)
a:コンクリートの厚さの1/2の値(cm)
b:コンクリート床板の長さ(cm)
L:コンクリートの厚さの2/3の値(cm)
鉄筋コンクリートの抵抗モーメントは、次の式により求める。
図 (省略)
MR’=∑at・ft・j (2)
MR’:鉄筋コンクリートの抵抗モーメント(kg・cm)
∑at:鉄筋コンクリートbcm長さに配筋した鋼棒の断面積の合計(cm2)
ft:鋼棒の引張強さ(1,600kg/cm2とする。)
j:応力間中心距離で7/8Lで表わす。(cm)
L:コンクリートの厚さからかぶり厚さ6cmを引いた値(cm)
(1)(2)式より鉄筋コンクリートの構造は、MR=MR’の場合には厚さ0.3mのコンクリートと同等以上の強度を有することになる。
設問の鉄筋コンクリートについては、鉄筋コンクリートの単位長さを100cmとし、(2)式により計算するとMR’=57,344kg・cmとなる。
厚さ0.3mのコンクリートについては、コンクリートの単位長さを100cmとし、(1)式により計算するとMR=75,000kg・cmとなり、MR<MR’となる。
故に当該鉄筋コンクリートの強度は、厚さ0.3mのコンクリートの強度より弱いこととなる。