製造所等の泡消火設備の技術上の基準の細目を定める告示

【公布】平成231221日 総務省告示第559

※ これは、平成231221日総務省告示第559号による公布時の告示です。

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総務省告示第559号

 

危険物の規制に関する規則(昭和34年総理府令第55)第38条の3の規定に基づき、製造所等の泡消火設備の技術上の基準の細目を定める告示を次のように定める。

 

製造所等の泡消火設備の技術上の基準の細目を定める告示

 

第1章 総則

(趣旨)

第1条 この告示は、危険物の規制に関する規則(昭和34年総理府令第55号。以下「危険物規則」という。)第38条の3の規定に基づき、製造所等の泡消火設備の技術上の基準の細目を定めるものとする。

 

第2章 固定式の泡消火設備の基準

 

(定義)

第2条 この告示において、「Ⅰ型の泡放出口」とは、屋根(浮き屋根を除く。)を有する屋外貯蔵タンク(危険物の規制に関する政令(昭和34年政令第306号。以下「危険物規制令」という。)第11条第1項第1号の2に規定する屋外貯蔵タンク(危険物規制令第9条第1項第20号イにおいてその例による場合及びこれを危険物規制令第19条第1項で準用する場合を含む。)をいう。以下同じ。)のうち浮き蓋付きの屋外貯蔵タンク以外のもの(以下「固定屋根式屋外貯蔵タンク」という。)において上部泡注入法(当該タンクの側板の上部に取り付けた泡放出口から当該タンクにおいて貯蔵し、又は取り扱う危険物の液表面に泡を放出する方法をいう。以下同じ。)を用い、かつ、泡を当該タンクの側板の内面に沿って流下させない場合の泡放出口をいう。

2 この告示において、「Ⅱ型の泡放出口」とは、固定屋根式屋外貯蔵タンク又は浮き蓋付きの屋外貯蔵タンクにおいて上部泡注入法を用い、かつ、泡を当該タンクの側板の内面に沿って流下させる場合の泡放出口をいう。

3 この告示において、「Ⅲ型の泡放出口」とは、固定屋根式屋外貯蔵タンクに底部泡注入法(当該タンクの下部に設置される泡放出口から当該タンクで貯蔵し、又は取り扱う危険物に泡を注入する方法をいう。以下同じ。)を用い、かつ、特殊ホース(送泡により伸張するホースで、その先端が当該タンクにおいて貯蔵し、又は取り扱う危険物の液表面まで達し、かつ、泡を放出できるものをいう。以下同じ。)を用いない場合の泡放出口をいう。

4 この告示において、「Ⅳ型の泡放出口」とは、固定屋根式屋外貯蔵タンクに底部泡注入法を用い、かつ、特殊ホースを用いる場合の泡放出口をいう。

5 この告示において、「特型の泡放出口」とは、浮き屋根を有する屋外貯蔵タンクにおいて上部泡注入法を用いる場合の泡放出口をいう。

(固定式泡放出口方式の基準)

第3条 固定式の泡消火設備のうち固定式泡放出口方式のもの(前条各項に規定する泡放出口を有するものをいう。以下同じ。)は、タンクにおいて貯蔵し、又は取り扱う危険物の火災を有効に消火することができるように、泡放出口並びに泡放出口に付属する補助泡消火栓及び連結送液口を、この章に定めるところにより、設けなければならない。

(泡放出口の位置、構造及び設備)

第4条 Ⅰ型の泡放出口の位置、構造及び設備は、次の各号に定めるところによらなければならない。

一 泡放出口は、タンクの直径に応じて、別表第1の下欄に掲げる個数以上の個数を設けること。

二 泡放出口は、タンクの側板の外面に均等の間隔で設けること。

三 泡放出口は、火災のときの加熱、地震のときの衝撃等による被害を受けるおそれがないように設けること。

四 第四類の危険物(水に溶けないものに限る。)を貯蔵し、又は取り扱うタンクに泡放出口を設ける場合にあっては、当該タンクにおいて貯蔵し、又は取り扱う危険物の液表面積に、危険物の区分に応じて別表第2の中欄に掲げる数値を乗じて得た量以上の量の泡水溶液(泡消火薬剤と水との混合液をいう。以下同じ。)を、別表第1の下欄に掲げる個数(直径が24m未満の固定屋根式屋外貯蔵タンクに設ける泡放出口にあっては、1個とする。以下同じ。)で、別表第2の下欄に掲げる数値以上の放出率で有効に放出できるように設けること。

五 第四類の危険物(水に溶けないもの以外のものに限る。)を貯蔵し、又は取り扱うタンクに泡放出口を設ける場合にあっては、当該タンクにおいて貯蔵し、又は取り扱う危険物の液表面積に、別表第3の中欄に掲げる数値を乗じて得た量以上の量の泡水溶液を、別表第1の下欄に掲げる個数で、別表第3の下欄に掲げる数値以上の放出率で有効に放出できるように設けること。この場合において、当該タンクにおいて貯蔵し、又は取り扱う危険物の種類に応じ、別表第4の下欄に掲げる係数又は別表第5に定める方法により算出した係数のいずれか(別表第4に掲げる危険物以外の危険物にあっては、別表第5に定める方法により算出した係数に限る。)を、別表第3の中欄及び下欄の数値にそれぞれ乗じること。

六 タンクにおいて貯蔵し、又は取り扱う危険物から発生する蒸気が逆流するおそれがない構造とすること。

七 泡放出口から放出された消火に有効な泡が、タンクにおいて貯蔵し、又は取り扱う危険物の液表面全体を被覆するために有効な設備を設けること。

第5条 Ⅱ型の泡放出口の位置、構造及び設備は、前条第1号から第6号までの規定の例によるほか、Ⅱ型の泡放出口を設ける場合にあっては、泡放出口から放出された消火に有効な泡をタンクの側板の内面に沿って流下させ、当該泡がタンクにおいて貯蔵し、又は取り扱う危険物の液表面全体を被覆するために有効な設備を設けなければならない。

第6条 Ⅲ型の泡放出口の位置、構造及び設備は、第4条第1号から第4号までの規定の例によるほか、次の各号に定めるところによらなければならない。

一 送泡管を設けること。

二 タンクにおいて貯蔵し、又は取り扱う危険物が送泡管から逆流するおそれがない構造とすること。

三 Ⅲ型の泡放出口は、タンクにおいて貯蔵し、又は取り扱う危険物が水に溶けないものであって、かつ、当該危険物の温度が50度以下又は動粘度が100センチストークス以下である場合に限り、設置することができること。

第7条 Ⅳ型の泡放出口の位置、構造及び設備は、第4条第1号から第5号まで及び前条第1号の規定の例によるほか、次の各号に定めるところによらなければならない。

一 送泡管の末端に、特殊ホースを接続すること。

二 特殊ホースは、使用時以外は、格納筒に収納すること、又は泡を放出することにより容易に離脱することのできるキャップを装着すること。

三 前号の格納筒を設ける場合にあっては、タンクの側板の下部に設けること。

第8条 特型の泡放出口の位置、構造及び設備は、第4条第1号から第4号までの規定の例によるほか、次の各号に定めるところによらなければならない。この場合において、同条第4号中「液表面積」とあるのは、「第8条第2号に規定する間げきの投影面積」とする。

一 浮き屋根の浮き部分の上でタンクの側板から1.2m以上離れた位置に高さ0.9m以上の鋼製の泡せき板(泡放出口から放出された泡の流出を阻止でき、かつ、雨水を有効に排出する排水口を設けたものをいう。以下同じ。)を設けること。

二 タンクの側板と泡せき板との間げきに泡を注入するための設備を設けること。

(補助泡消火栓の基準)

第9条 補助泡消火栓は、次の各号に定めるところにより設けなければならない。

一 補助泡消火栓は、3(ホース接続口が3個未満のときは、その個数)のノズルを同時に使用した場合に、それぞれのノズルの先端において、放射圧力が0.35MPa以上で、かつ、400/分以上で放射することができるように設けること。

二 補助泡消火栓は、防油堤の外側で有効に消火活動が行うことができる位置に、それぞれ1の補助泡消火栓に至る歩行距離が75m以下となるように設けること。

三 補助泡消火栓の開閉弁及びホース接続口は、地盤面からの高さが1.5m以下の位置に設けること。

四 補助泡消火栓の泡放射用器具を格納する箱(以下「補助泡消火栓箱」という。)は、不燃材料で造られたものを用いるとともに、当該補助泡消火栓に至る歩行距離が5m以下であって、火災のとき容易に接近することができ、かつ、火災等による被害を受けるおそれが少ない場所に設けること。

五 補助泡消火栓の設置の標示は、次に定めるところによること。

イ 補助泡消火栓箱には、その表面に「ホース格納箱」と表示すること。ただし、開閉弁及びホース接続口を補助泡消火栓箱の内部に設けるものにあっては、その表面に「ホース格納箱」の表示に代えて、「消火栓」と表示することができること。

ロ 補助泡消火栓には、その直近の見やすい場所に「消火栓」と表示した標識を設けること。

(連結送液口の基準)

第10条 連結送液口は、次の式により求めた数以上の数を、消防法施行規則(昭和36年自治省令第6号。以下「施行規則」という。)第14条第1項第6号の規定の例により設けなければならない。この場合において、同号中「送水口」とあるのは「送液口」と、「送水」とあるのは「送液」と、「スプリンクラー設備」とあるのは「泡消火設備」と、「スプリンクラー用送水口」とあるのは「泡消火設備用送液口」と、「送水圧力範囲」とあるのは「送液圧力範囲」とする。

N=Aq800

Nは、連結送液口の設置数

Aは、タンクの最大水平断面積(単位 m2)

qは、別表第2の下欄に掲げる危険物の液表面積1m2当たりの泡水溶液の放出率(単位 L//2)

(フォームヘッド方式の基準)

第11条 固定式の泡消火設備のうちフォームヘッド方式のものは、次の各号に定めるところにより設けなければならない。

一 フォームヘッドは、防護対象物(消火設備によって消火すべき製造所等の建築物その他の工作物及び危険物をいう。以下この条において同じ。)の表面積(防護対象物が建築物の場合にあっては、床面積とする。以下同じ。)92につき1個以上のヘッドを防護対象物の全ての表面又は床面がいずれかのフォームヘッドの有効射程内にあるように設けること。

二 防護対象物の表面積12当たりの放射量が6.5/分以上の割合で計算した量の泡水溶液を標準放射量(当該泡消火設備のヘッドの設計圧力により放射し、又は放出する消火剤の放射量をいう。以下同じ。)で放射することができるように設けること。

三 放射区域(1の一斉開放弁により同時に放射する区域をいう。以下同じ。)は、1002(防護対象物の表面積が1002未満であるときは、当該表面積)以上とすること。

(固定式の泡モニターノズル方式の基準)

第12条 固定式の泡消火設備のうち泡モニターノズル方式のものは、次の各号に定めるところにより設けなければならない。

一 泡モニターノズルは、屋外の工作物及び屋外において貯蔵し、又は取り扱う危険物を防護対象物とし、当該防護対象物を当該泡モニターノズルの有効射程内に包含できるように設けること。

二 泡モニターノズルは、消火活動上支障がない位置において起動及び操作ができる場所に設けること。

三 泡モニターノズルは、当該防護対象物を有効射程内に包含できるように設置している全てのノズルを同時に使用した場合に、次に掲げる基準を満たすように設けること。

イ それぞれのノズルの先端における放射量が1,900/分以上であること。

ロ 30m以上の水平放射距離で有効に放射することができること。

四 岸壁又は桟橋その他これらに類する場所に設置されている屋外貯蔵タンク又は移送取扱所のポンプ設備、注入口及び払出口(以下「ポンプ設備等」という。)に泡モニターノズルを設ける場合にあっては、2個以上の泡モニターノズルを、当該場所の先端からの水平距離が15m以内の水面を包含し、かつ、当該防護対象物の各部分からの水平距離が30m以下となるように設けること。

 

第3章 移動式の泡消火設備の基準

 

(屋内に設ける移動式の泡消火設備の基準)

第13条 屋内に設ける移動式の泡消火設備は、次の各号に定めるところにより設けなければならない。

一 移動式の泡消火設備は、いずれの階においても、当該階の全て(当該階の設置個数が4個を超えるときは、4)の泡消火栓を同時に使用した場合に、それぞれのノズルの先端において、放射圧力が0.35MPa以上で、かつ、放射量が200//分以上であること。

二 移動式の泡消火設備は、火災のとき煙が充満するおそれがなく容易に接近することができ、かつ、火災等による被害を受けるおそれが少ない場所に設けること。

三 泡消火栓の開閉弁及びホース接続口は、床面からの高さが1.5m以下の位置に設けること。

四 泡消火設備の開閉弁及び泡放射用器具を格納する箱(以下「泡消火栓箱」という。)は、不燃材料で造られたものを用いるとともに、点検に便利な場所に設けること。

五 移動式の泡消火設備の設置の標示は、次に定めるところによること。

イ 泡消火栓箱には、その表面に「消火栓」と表示すること。

ロ 泡消火栓箱の上部に、取付け面と15度以上の角度となる方向に沿って10m離れたところから容易に識別できる赤色の灯火を設けること。

(屋外に設ける移動式の泡消火設備の基準)

第14条 屋外に設ける移動式の泡消火設備は、前条第2号の規定の例によるほか、次の各号に定めるところにより設けなければならない。

一 移動式の泡消火設備は、4個の泡消火栓(設置個数が4個未満のときは、その個数)を同時に使用した場合に、それぞれのノズルの先端において、放射圧力が0.35MPa以上で、かつ、放射量が400/分以上であること。

二 泡消火栓の開閉弁及びホース接続口は、地盤面からの高さが1.5m以下の位置に設けること。

三 泡消火栓箱は、不燃材料で造られたものを用いるとともに、当該泡消火栓に至る歩行距離が5m以下の場所に設けること。

四 移動式の泡消火設備の設置の標示は、次に定めるところによること。

イ 泡消火栓箱には、その表面に「ホース格納箱」と表示すること。ただし、開閉弁及びホース接続口を泡消火栓箱の内部に設けるものにあっては、その表面に「ホース格納箱」の表示に代えて、「消火栓」と表示することができること。

ロ 泡消火栓箱には、その直近の見やすい場所に「消火栓」と表示した標識を設けること。

 

第4章 水源の基準

 

(水源の水量)

第15条 水源の水量は、次の各号に定める量の泡水溶液を作るために必要な量以上の量とする。

一 固定式泡放出口方式の泡消火設備の泡水溶液の量は、次のイ及びロに定める量を合計した量

イ 第2条各項に規定する泡放出口から放出する泡水溶液の量は、危険物の区分及び泡放出口の類型に応じて別表第2の中欄及び別表第3の中欄に掲げる数値に、当該タンクにおいて貯蔵し、又は取り扱う危険物の液表面積が最も大きいタンクの液表面積を乗じて得た数量の泡水溶液を放出することができる量

ロ 補助泡消火栓から放射する泡水溶液の量は、400/分の放射量で20分間放射することができる量

二 第11条に規定するフォームヘッド方式の泡消火設備の泡水溶液の量は、フォームヘッドの設置個数が最も多い放射区域に設けられた全てのフォームヘッドを同時に使用した場合に、標準放射量で10分間放射することができる量

三 第12条に規定する泡モニターノズル方式の泡消火設備の泡水溶液の量は、全てのノズルを同時に使用した場合に、1,900/分の放射量で30分間放射することができる量

四 第13条及び前条に規定する移動式の泡消火設備の泡水溶液の量は、4個のノズル(設置個数が4個未満のときは、その個数)を同時に使用した場合に、それぞれのノズルの先端において、放射圧力が0.35MPa以上で、かつ、屋内に設ける場合にあっては200/分、屋外に設ける場合にあっては400/分の放射量で、それぞれ30分間放射することができる量

五 前各号に掲げる泡水溶液の量のほか、配管内を満たすに要する泡水溶液の量

 

第5章 泡消火薬剤の基準

 

(泡消火薬剤の貯蔵量)

第16条 泡消火薬剤の貯蔵量は、前条に定める泡水溶液の量に、消火に有効な泡を生成するために適した希釈容量濃度を乗じて得た量以上の量となるようにしなければならない。

(泡消火薬剤の種類)

第17条 第四類の危険物(水に溶けないものに限る。)に用いる泡消火薬剤は、固定式泡放出口方式(Ⅲ型の泡放出口を有するものを除く。)の泡消火設備及び補助泡消火栓、フォームヘッド方式の泡消火設備、泡モニターノズル方式の泡消火設備又は移動式の泡消火設備にあっては、たん白泡消火薬剤(泡消火薬剤の技術上の規格を定める省令(昭和50年自治省令第26号。以下「規格省令」という。)第2条第2号に規定するたん白泡消火薬剤に適合するものをいう。以下同じ。)又は水成膜泡消火薬剤(規格省令第2条第4号に規定する水成膜泡消火薬剤に適合するものをいう。以下同じ。)とする。

2 第四類の危険物(水に溶けないものに限る。)に用いる泡消火薬剤は、固定式泡放出口方式(Ⅲ型の泡放出口を有するものに限る。)の泡消火設備及び補助泡消火栓にあっては、たん白泡消火薬剤であるふっ素たん白泡消火薬剤又は水成膜泡消火薬剤とする。

3 第四類の危険物(水に溶けないもの以外のものに限る。)のうち別表第四に掲げるものに用いる泡消火薬剤は、水溶性液体用泡消火薬剤であって、別表第6に定める試験において消火性能を確認したものとする。

4 第四類の危険物(水に溶けないもの以外のものに限る。)のうち別表第4に掲げるもの以外のものに用いる泡消火薬剤は、水溶性液体用泡消火薬剤であって、別表第5に定める試験において消火性能を確認したものとする。

 

第6章 パッケージ型固定泡消火設備の基準

 

(パッケージ型固定泡消火設備の基準)

第18条 パッケージ型固定泡消火設備(危険物規制令第17条第5項に規定する顧客に自ら給油等をさせる給油取扱所において設置し、人が起動装置を操作することにより、自動的に泡水溶液を圧力により泡放出口から放出して消火を行う固定した消火設備であって、泡放出口、泡消火薬剤等貯蔵容器(泡消火薬剤及び泡消火薬剤と混合するための水、又は泡水溶液を貯蔵する容器をいう。以下同じ。)、起動装置等により構成されるものをいう。以下同じ。)は、次の各号に定めるところにより設けなければならない。

一 パッケージ型固定泡消火設備の泡放出口は、次に定めるところにより設けなければならないこと。

イ 泡放出口の方式は、水平放出方式(固定給油設備の基礎台の側面に設けた泡放出口から水平に放出する方法をいう。以下同じ。)又は下方放出方式(上屋等から下向きに設けた泡放出口から下方に放出する方法をいう。以下同じ。)とすること。

ロ 水平放出方式にあっては2個、下方放出方式にあっては4個の泡放出口を、それぞれその放射能力範囲が固定給油設備の周囲の地盤面等に表示された1の自動車等の停止位置を包含するように設置すること。

ハ 泡放出口は、消火に有効な膨張比(発生した泡の体積を泡を発生するために要する泡水溶液の体積で除した値をいう。)の泡を放出するものであること。

ニ 下方放出方式の泡放出口は、1の自動車等の停止位置の相対する長辺に2個ずつ設置し、それぞれの辺ごとに放出することができること。
二 放出量は、1の泡放出口ごとに、水平放出方式にあっては7.4/分以上、下方放出方式にあっては22.2/分以上とすること。

2 パッケージ型固定泡消火設備の水源の水量は、次の各号に定める量を合計した量の泡水溶液を作るために必要な量以上の量とする。

一 前項第2号に定める放出量で10分間放射することができる泡水溶液の量

二 配管内を満たすに要する泡水溶液の量

3 泡消火薬剤の貯蔵量は、前項に定める泡水溶液の量に、消火に有効な泡を生成するために適した希釈容量濃度を乗じて得た量以上の量とする。

4 パッケージ型固定泡消火設備に用いる泡消火薬剤は、水成膜泡消火薬剤又は機械泡消火薬剤(消火器用消火薬剤の技術上の規格を定める省令(昭和39年自治省令第28)第1条の2並びに第4条第1項及び第3項の規定に適合するものをいう。以下同じ。)とするほか、次の各号に定めるところによらなければならない。

一 パッケージ型固定泡消火設備に用いる泡消火薬剤は、別表第七に定める試験において消火性能を確認したものであること。

二 泡水溶液の状態で貯蔵する場合にあっては、当該泡水溶液の性状を維持すること。

5 パッケージ型固定泡消火設備の設置及び維持に関する技術上の基準の細目は、次のとおりとする。

一 泡消火薬剤混合装置を設ける場合には、2個の泡放出口から泡水溶液を第1項第2号に定める放出量で同時に放出するために必要な量以上の量の泡水溶液を生成できるものとすること。

二 泡消火薬剤等貯蔵容器は、次に定めるところによること。

イ 加圧式又は蓄圧式の泡消火薬剤等貯蔵容器は、次に定めるところにより設けること。

(1) 泡消火薬剤等貯蔵容器の内面及び外面には適切な防食処理を施すこと。ただし、耐食性のある材料を用いたものにあっては、この限りでないこと。

(2) 最高使用圧力の1.5倍以上の圧力に耐えるものであること。

ロ 加圧式又は蓄圧式以外の泡消火薬剤等貯蔵容器にあっては、イ(1)の規定の例によるほか、使用条件に応じた必要な強度を有すること。

ハ 泡消火薬剤等貯蔵容器は、次に掲げる全ての要件を満たす場所に備え付けること。

(1) 火災のとき延焼するおそれが少ない場所であること。

(2) 温度変化が少なく、温度が40度を超えるおそれがない場所であること。

(3) 直射日光又は雨水にさらされるおそれが少ない場所であること。

ニ 泡消火薬剤等貯蔵容器(筐体に収納する場合は当該筐体を含む。)は、地震等のときに移動又は転倒しないように堅固に固定すること。

三 放出弁は、次に定めるところによること。

イ 最高使用圧力の1.5倍以上の圧力に耐えるものであること。

ロ 弁箱は、日本工業規格(工業標準化法(昭和24年法律第185)第17条第1項の日本工業規格をいう。以下同じ。)H3250H5120H5121若しくはG3201に適合するもの又はこれと同等以上の強度及び耐食性を有する材質を用いたものであること。

ハ 常時閉止状態にあり、電気式、ガス圧式等の開放装置により開放できるものであって、かつ、手動によっても容易に開放できるもの(開放装置を手動により操作するものを含む。)であること。

ニ 加圧式の泡消火薬剤等貯蔵容器に用いる放出弁は、定圧作動装置と連動して開放できるものであること。

ホ 泡消火薬剤等貯蔵容器の放出口に取り付けられ、かつ、当該放出口に確実に接続されていること。

四 選択弁は、前号イからハまでの規定の例によるほか、放出弁を兼ねる場合にあっては、定圧作動装置と連動して開放できるものであること。

五 起動装置は、手動式の起動装置とし、施行規則第18条第4項第10号ロ()()及び()の規定の例によるほか、次に定めるところによること。

イ 危険物規則第28条の2の5第6号に規定する制御卓に設置すること。

ロ 2系統以上の泡放出口を切り替えて使用する場合にあっては、それぞれの泡放出口が対象とする顧客用固定給油設備を分かりやすく表示すること。

ハ 起動後においても泡放出口の切替えができ、かつ、切替えの操作から泡が放出されるまでの時間が30秒以内であること。

ニ 起動装置の直近に、当該装置がパッケージ型固定泡消火設備の起動装置であること並びに当該装置の取扱い方法及び保安上の注意事項その他必要な事項を表示すること。

ホ 泡消火設備の作動を知らせる自動式の装置を設けること。

ヘ 起動用ガス容器を用いる場合にあっては、施行規則第21条第4項第13号の規定の例によること。

六 加圧用ガス容器を用いる場合には、次に定めるところによること。

イ 窒素ガスが充#されたものであること。

ロ 加圧用ガスの量は、泡水溶液を2個の排出口から第1項第2号に定める放出量で10分間放出することができる量以上の量であること。

ハ 危険物を貯蔵し、又は取り扱うタンクの直近に設置され、かつ、当該タンクに確実に接続されていること。

七 加圧送液装置を用いる場合には、施行規則第18条第4項第9号の規定の例によること。この場合において、同号中「加圧送水装置」とあるのは、「加圧送液装置」とする。

八 電源回路は、専用回路とすること。

 

第7章 雑則

 

(泡消火設備の設置及び維持に関する技術上の基準の細目)

第19条 泡消火設備(パッケージ型固定泡消火設備を除く。以下この条において同じ。)の設置及び維持に関する技術上の基準の細目は、施行規則第18条第4項第6号及び第7号、同項第8号(同号において準ずることとされる施行規則第12条第1項第6号のうちニ()及びホ()を除く。)、施行規則第18条第4項第9号、同項第10号(イのただし書を除く。)並びに同項第16号の規定の例によるほか、次のとおりとする。

一 第四類の危険物を貯蔵し、又は取り扱うタンクにあっては、固定式の泡消火設備(縦置きのタンクにあっては、固定式泡放出口方式のもので補助泡消火栓及び連結送液口を附置するものに限る。)を設けること。

二 危険物規則第33条第1項第1号に掲げる製造所等のタンクで、引火点が21度未満の危険物を貯蔵し、又は取り扱うものに泡消火設備を設ける場合にあっては、その放射能力範囲が、当該タンクのポンプ設備等を包含するように設けること。この場合において、ポンプ設備等に接続する配管の内径が200mmを超えるものにあっては、移動式の泡消火設備を設けてはならないこと。

三 加圧送液装置は、次に掲げる要件のいずれかを満たすように設置すること。

イ 加圧送液装置の起動後五分以内に泡消火設備に係る泡消火薬剤混合装置を経て有効な泡水溶液を泡放出口、補助泡消火栓、フォームヘッド及び泡モニターノズル(以下「泡放出口等」という。)へ送液できるものとすること。

ロ 加圧送液装置から泡放出口等までの水平距離が500m以下であること。

四 予備動力源は、自家発電設備、蓄電池設備又は内燃機関とし、次に定めるところによること。

イ 自家発電設備及び蓄電池設備は、施行規則第12条第1項第4号ロ(()を除く。)及びハ(ハにおいて規定の例によるものとされるロ()を除く。)の規定の例によるほか、次のとおりとする。

(1) 自家発電設備及び蓄電池設備の容量は、泡消火設備を有効に第15条各号(第5号を除く。)に掲げる放射時間の1.5倍以上の時間作動できるものであること。

(2) 自家発電設備及び蓄電池設備に設ける配線は、施行規則第12条第1項第4号ホの規定の例によること。

ロ 内燃機関は、常用電源が停電したときに速やかに作動し、泡消火設備を有効に第15条各号(第5号を除く。)に掲げる放射時間の1.5倍以上の時間作動させることができること。

 

附則

1 この告示は、平成2441日から施行する。

2 この告示の規定は、この告示の施行の日以後に新たに製造所等に設けられる泡消火設備について適用する。

 

別表第1(第4条第1号、第4号及び第5号関係)

泡放出口の個数

タンクの直径

泡放出口の個数

固定屋根式屋外貯蔵タンク

浮き蓋付き屋外貯蔵タンク

浮き屋根式屋外貯蔵タンク

Ⅰ型又はⅡ型

Ⅲ型又はⅣ型

Ⅱ型

特型

13m未満

2

1

2

2

13m以上19m未満

3

3

19m以上24m未満

4

4

24m以上35m未満

2

5

5

35m以上42m未満

3

3

6

6

42m以上46m未満

4

4

7

7

46m以上53m未満

6

6

8

8

53m以上60m未満

8

8

10

10

60m以上67m未満

8 ※

10

67m以上73m未満

12

12

73m以上79m未満

14

79m以上85m未満

16

14

85m以上90m未満

18

90m以上95m未満

20

16

95m以上99m未満

22

99m以上

24

18

備考 直径が60m以上のタンクにⅠ型又はⅡ型の泡放出口を設ける場合には、当該タンクにⅢ型又はⅣ型の泡放出口を併せて設けなければならない。この場合において、当該タンクの直径に応じて設置することとされているⅢ型又はⅣ型の泡放出口の個数から8を減じた個数のⅢ型又はⅣ型の泡放出口を、当該タンクの側板から30mの環状の部分を除いた当該タンクの中心部の円形の液表面の部分を当該泡放出口から放出される泡で均一に防護することができるように設けること。

別表第2(第4条第4号、第10条及び第15条第1号関係)

泡放出口の類型

危険物の液表面積12当たりの泡水溶液の量(単位 L/2)

危険物の液表面積12当たりの泡水溶液の放出率(単位 L//2)

危険物の引火点が21度未満のもの

危険物の引火点が21度以上70度未満のもの

危険物の引火点が70度以上のもの

Ⅰ型の泡放出口

120

80

60

4

Ⅱ型の泡放出口

220

120

100

4

Ⅲ型の泡放出口

220

120

100

4

Ⅳ型の泡放出口

220

120

100

4

特型の泡放出口

240

160

120

8


別表第3(第4条第5号及び第15条第1号関係)

泡放出口の類型

危険物の液表面積12当たりの泡水溶液の量(単位 L/2)

危険物の液表面積12当たりの放出率(単位 L//2)

Ⅰ型の泡放出口

160

8

Ⅱ型及びⅣ型の泡放出口

240

8


 
別表第4(第4条第5号並びに第17条第3項及び第4項関係)

危険物の区分

係数

類別

細区分

アルコール類

メタノール ※

1.0

三-メチル-二-ブチルアルコール

エタノール

アリルアルコール

一-ペンチルアルコール

二-ペンチルアルコール

t-ペンチルアルコール

イソペンチルアルコール

一-ヘキシルアルコール

シクロヘキサノール

フルフリルアルコール

ベンジルアルコール

プロピレングリコール

エチレングリコール

ジエチレングリコール

ジプロピレングリコール

グリセリン

一-プロパノール

1.25

二-プロパノール

イソブタノール

一-ブタノール

二-ブタノール

t-ブチルアルコール

2.0

エーテル類

ジイソプロピルエーテル ※

1.25

エチレングリコールエチルエーテル

エチレングリコールメチルエーテル

ジエチレングリコールエチルエーテル

ジエチレングリコールメチルエーテル

一-四ジオキサン

1.5

ジエチルエーテル

2.0

アセトアルデヒドジエチルアセタール

エチルプロピルエーテル

テトラヒドロフラン

イソブチルビニルエーテル

エチルブチルエーテル

エチルビニルエーテル

エステル類

酢酸エチル ※

1.0

ギ酸エチル

ギ酸メチル

酢酸メチル

酢酸ビニル

ギ酸プロピル

アクリル酸メチル

アクリル酸エチル

メタクリル酸メチル

メタクリル酸エチル

酢酸プロピル

ギ酸ブチル

エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート

エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート

ケトン類

アセトン ※

1.0

メチルエチルケトン

メチルイソブチルケトン

アセチルアセトン

シクロヘキサン

アルデヒド類

アクリルアルデヒド(アクロレイン)

1.2

クロトンアルデヒド

パラアルデヒド

アセトアルデヒド

2.0

アミン類

エチレンジアミン ※

1.0

シクロヘキシルアミン

アニリン

エタノールアミン

ジエタノールアミン

トリエタノールアミン

エチルアミン

1.25

プロピルアミン

アリルアミン

ジエチルアミン

ブチルアミン

イソブチルアミン

トリエチルアミン

ペンチルアミン

t-ブチルアミン

イソプロピルアミン

2.0

ニトリル類

アクリロニトリル ※

1.25

アセトニトリル

ブチロニトリル

有機酸

酢酸 ※

1.25

無水酢酸

アクリロ酸

プロピオン酸

ギ酸

その他の不溶性のもの以外のもの

プロピレンオキサイド

2.0

 

エタノール含有ガソリン(エタノール十パーセント以下のものに限る。)

1.0

 

備考 ※を付した物質は各類別ごとの代表物質である。

別表第5(第4条第5号及び第17条第4項関係)
別表第4に掲げる危険物以外の危険物(水に溶けないもの以外のものに限る。以下この表において同じ。)に係る係数は、一に規定する装置を用い、二に規定する試験の実施手順により求めるものとする。
一 装置
装置は、底面の面積が次の表に定める燃焼表面積の正方形で、高さが0.3mの4種類の燃焼皿とする。

燃焼表面積(単位 m2)

係数

4.0

1.0

3.2

1.25

2.67

1.5

2.0

2.0

二 試験の実施手順
イ 燃焼表面積が4.02の燃焼皿に、試験物品を底面から試験物品の表面までの高さが0.1mになるように入れる。
ロ 試験物品に点火して1分経過した後に、温度が20度の泡水溶液を規格省令第12条の規定の例により、標準発泡ノズルを用いて5分間連続して発泡させ、試験物品の表面に展開させる。
ハ 泡水溶液の発泡終了後、規格省令第13条各号に規定する規格に適合する場合には、泡消火薬剤の消火性能が確認されたこととする。
ニ 規格省令第13条各号に規定する規格に適合しない場合には、燃焼表面積がより小さい燃焼皿を用いて、当該規格に適合するまでイからハまでの操作を繰り返す。
ホ 別表第4に掲げる危険物以外の危険物に係る係数は、規格省令第13条各号に規定する規格に適合することが確認されたときの燃焼表面積のうち、一に掲げる表において最大のものに対応する係数とする。

別表第6(第17条第3項関係)
別表第4に掲げる危険物(水に溶けないもの以外のものに限る。以下この表において同じ。)に用いる泡消火薬剤の消火性能は、一に規定する装置を用い、二に規定する試験の実施手順により確認するものとする。ただし、同表中当該危険物が属する類別において代表物質を規定している場合にあっては、当該危険物に代えて、当該代表物質を用いて当該泡消火薬剤の消火性能を確認しても差し支えない。
一 装置
装置は、別表第5の1に規定する装置とする。
二 試験の実施手順
イ 別表第4の下欄に掲げる係数又は別表第5に定める方法により算出した係数に応じ、次の表の下欄に掲げる燃焼表面積の燃焼皿に、試験物品を底面から当該試験物品の表面までの高さが0.1mになるように入れる。

係数

燃焼表面積(単位 m2)

1.0

4.0

1.25

3.2

1.5

2.67

2.0

2.0

ロ 試験物品に点火して1分経過した後に、温度が20度の泡水溶液を規格省令第12条の規定の例により、標準発泡ノズルを用いて5分間連続して発泡させ、試験物品の表面に展開させる。
ハ 泡水溶液の発泡終了後、規格省令第13条各号に規定する規格に適合する場合には、泡消火薬剤の消火性能が確認されたこととする。

別表第7(第18条第4項第1号関係)
パッケージ型固定泡消火設備に用いる泡消火薬剤の消火性能は、一に規定する装置及び二に規定する試験物品を用い、三に規定する試験の実施手順により確認するものとする。
一 装置
装置は、水平放出方式の泡放出口を用いる場合にあっては図1、下方放出方式の泡放出口を用いる場合にあっては図2に示すものとする。
二 試験物品
 試験物品は、自動車ガソリン(日本工業規格K2202に適合するものをいう。以下同じ。)とする。
三 試験の実施手順
イ 勾配が100分の1の床面上に泡放出口を設置する。
ロ 装置に自動車ガソリン20Lを入れ、漏れのないことを確認した上で、点火する。
ハ 点火20秒後に泡放出口から泡水溶液を1分間発泡させ、試験物品の表面に展開させる。
ニ 泡水溶液を泡放出口から発泡後、1分以内に消火(装置内の残炎が消失した時点をいう。)した場合には、泡消火薬剤の消火性能が確認されたこととする。

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