法律第38号
平成24年6月27日
消防法の一部を改正する法律
消防法(昭和23年法律第186号)の一部を次のように改正する。
第5条の2第1項各号中「第8条の2第3項」を「第8条の2第5項若しくは第6項」に改める。
第8条第1項中「を定め」の下に「、政令で定めるところにより」を加え、
「行なわせなければ」を「行わせなければ」に改める。
第8条の2第1項中「これらの防火対象物について、消防計画の作成その他の防火管理上必要な業務に関する事項で総務省令で定めるものを、協議して、定めておかなければ」を「政令で定める資格を有する者のうちからこれらの防火対象物の全体について防火管理上必要な業務を統括する防火管理者(以下この条において「統括防火管理者」という。)を協議して定め、政令で定めるところにより、当該防火対象物の全体についての消防計画の作成、当該消防計画に基づく消火、通報及び避難の訓練の実施、当該防火対象物の廊下、階段、避難口その他の避難上必要な施設の管理その他当該防火対象物の全体についての防火管理上必要な業務を行わせなければ」に改め、
同条第4項中「前項」を「前2項」に改め、
同条第3項中「総務省令で定める事項」を「防火対象物について統括防火管理者」に、「当該事項」を「統括防火管理者」に改め、
同項の次に次の1項を加える。
消防長又は消防署長は、第1項の規定により同項の防火対象物の全体について統括防火管理者の行うべき防火管理上必要な業務が法令の規定又は同項の消防計画に従つて行われていないと認める場合には、同項の権原を有する者に対し、当該業務が当該法令の規定又は同項の消防計画に従つて行われるように必要な措置を講ずべきことを命ずることができる。
第8条の2第2項中「前項」を「第1項」に、「総務省令で定める事項」を「規定により統括防火管理者」に、「当該事項を変更した」を「これを解任した」に改め、
同条第1項の次に次の2項を加える。
統括防火管理者は、前項の規定により同項の防火対象物の全体についての防火管理上必要な業務を行う場合において必要があると認めるときは、同項の権原を有する者が前条第1項の規定によりその権原に属する当該防火対象物の部分ごとに定めた同項の防火管理者に対し、当該業務の実施のために必要な措置を講ずることを指示することができる。
前条第1項の規定により前項に規定する防火管理者が作成する消防計画は、第1項の規定により統括防火管理者が作成する防火対象物の全体についての消防計画に適合するものでなければならない。
第8条の2の2第1項中「第36条第3項」を「第36条第4項」に改める。
第21条の2第3項中「個別検定」を「型式適合検定」に改め、
「個々の」を削り、
「と同一であるかどうかについて」を「に適合しているかどうかについて総務省令で定める方法により」に改める。
第21条の6第1項第2号
及び第21条の7中「個別検定」を「型式適合検定」に改める。
第21条の8中「個別検定」を「型式適合検定」に、「と同一である」を「に適合している」に改め、
同条に次の2項を加える。
協会又は第21条の3第1項の規定による登録を受けた法人は、不正の手段によつて前項の型式適合検定に合格した検定対象機械器具等の合格の決定を取り消すことができる。
前項の規定により合格の決定を取り消したときは、協会又は第21条の3第1項の規定による登録を受けた法人は、遅滞なく、その旨を、理由を付して総務大臣に届け出るとともに、公示し、かつ、当該合格の決定を取り消された検定対象機械器具等に係る型式適合検定を受けた者に通知しなければならない。
第21条の9第1項中「前条」を「前条第1項」に、「個別検定」を「型式適合検定」に改める。
第21条の10及び第21条の11中「個別検定」を「型式適合検定」に改める。
第21条の12中「検定対象機械器具等で」の下に「第21条の8第2項(前条第3項において準用する場合を含む。)の規定によりその型式適合検定の合格の決定が取り消されたもの若しくは」を加え、
「個別検定」を「型式適合検定」に改める。
第21条の14を削る。
第21条の13第1項中「前条」を「前2条」に改め、
同条を第21条の14とし、
第21条の12の次に次の1条を加える。
第21条の13 総務大臣は、次の各号に掲げる事由により火災の予防若しくは警戒、消火又は人命の救助等のために重大な支障が生ずるおそれがあると認める場合において、当該重大な支障の発生を防止するため特に必要があると認めるときは、当該各号に規定する販売業者等に対し、当該検定対象機械器具等の回収を図ることその他当該検定対象機械器具等が一定の形状等を有しないことによる火災の予防若しくは警戒、消火又は人命の救助等に対する重大な支障の発生を防止するために必要な措置をとるべきことを命ずることができる。
一 販売業者等が第21条の2第4項の規定に違反して、検定対象機械器具等を販売し、又は検定対象機械器具等のうち消防の用に供する機械器具若しくは設備を設置、変更若しくは修理の請負に係る工事に使用したこと。
二 販売業者等が販売した検定対象機械器具等又は販売業者等が設置、変更若しくは修理の請負に係る工事に使用した検定対象機械器具等のうち消防の用に供する機械器具若しくは設備について、型式適合検定の合格の決定が第21条の8第2項(第21条の11第3項において準用する場合を含む。)の規定により取り消されたこと。
第21条の15及び第21条の16中「個別検定」を「型式適合検定」に改める。
第21条の16の3第1項中「当該自主表示対象機械器具等でその形状等が総務省令で定める自主表示対象機械器具等に係る技術上の規格に適合するものに」を「自主表示対象機械器具等について、その形状等が総務省令で定める自主表示対象機械器具等に係る技術上の規格に適合しているかどうかについて総務省令で定める方法により検査を行い、その形状等が当該技術上の規格に適合する場合には」に改め、
同条に次の1項を加える。
自主表示対象機械器具等の製造又は輸入を業とする者は、総務省令で定めるところにより、第1項の自主表示対象機械器具等の検査に係る記録を作成し、これを保存しなければならない。
第21条の16の6第1項中「前条」を「前2条」に改め、
第4章の2第2節中同条を第21条の16の7とし、
第21条の16の5の次に次の1条を加える。
第21条の16の6 総務大臣は、販売業者等が第21条の16の2の規定に違反して、自主表示対象機械器具等を販売し、又は自主表示対象機械器具等のうち消防の用に供する機械器具若しくは設備を設置、変更若しくは修理の請負に係る工事に使用したことにより火災の予防若しくは警戒、消火又は人命の救助等のために重大な支障が生ずるおそれがあると認める場合において、当該重大な支障の発生を防止するため特に必要があると認めるときは、当該販売業者等に対し、当該自主表示対象機械器具等の回収を図ることその他当該自主表示対象機械器具等が一定の形状等を有しないことによる火災の予防若しくは警戒、消火又は人命の救助等に対する重大な支障の発生を防止するために必要な措置をとるべきことを命ずることができる。
第21条の17中「個別検定」を「型式適合検定(第21条の2第3項に規定する型式適合検定をいう。以下同じ。)」に改める。
第21条の36第1項第2号中「第21条の8」を「第21条の8第1項」に、「個別検定」を「型式適合検定」に改め、
同項第6号中「消防の用に供する機械器具等の鑑定」を「依頼に応じ、消防の用に供する機械器具等に関する評価」に改める。
第21条の45中「個別検定」を「型式適合検定」に改める。
第21条の46第1項第2号中「保有している」を「用いて当該業務を行うものである」に改める。
第32条第1項中「質問をする」を「質問し、又は火災の原因である疑いがあると認められる製品を製造し若しくは輸入した者に対して必要な資料の提出を命じ若しくは報告を求める」に改める。
第36条第1項後段を次のように改める。
この場合において、次の表の上欄に掲げる規定中同表の中欄に掲げる字句は、それぞれ同表の下欄に掲げる字句に読み替えるものとする。
第8条第1項 |
政令で定める資格 |
火災その他の災害の被害の軽減に関する知識を有する者で政令で定める資格 |
防火管理者 |
防災管理者 |
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消火、通報及び避難の訓練の実施、消防の用に供する設備、消防用水又は消火活動上必要な施設の点検及び整備、火気の使用又は取扱いに関する監督、避難又は防火上必要な構造及び設備の維持管理並びに収容人員の管理その他防火管理上 |
避難の訓練の実施その他防災管理上 |
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第8条第2項及び第3項 |
防火管理者 |
防災管理者 |
第8条第4項 |
防火管理者 |
防災管理者 |
防火管理上 |
防災管理上 |
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第8条の2第1項 |
政令で定める資格 |
火災その他の災害の被害の軽減に関する知識を有する者で政令で定める資格 |
防火管理上 |
防災管理上 |
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防火管理者( |
防災管理者( |
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統括防火管理者 |
統括防災管理者 |
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消火、通報及び避難の訓練の実施 |
避難の訓練の実施 |
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第8条の2第2項 |
統括防火管理者 |
統括防災管理者 |
防火管理上 |
防災管理上 |
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防火管理者に |
防災管理者に |
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第8条の2第3項 |
規定する防火管理者 |
規定する防災管理者 |
統括防火管理者 |
統括防災管理者 |
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第8条の2第4項及び第5項 |
統括防火管理者 |
統括防災管理者 |
第8条の2第6項 |
統括防火管理者 |
統括防災管理者 |
防火管理上 |
防災管理上 |
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第8条の2の2第1項 |
火災の予防に |
火災以外の災害で政令で定めるものによる被害の軽減に |
防火対象物点検資格者 |
防災管理点検資格者 |
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防火管理上 |
防災管理上 |
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、消防の用に供する設備、消防用水又は消火活動上必要な施設の設置及び維持その他火災の予防上 |
その他火災以外の災害で政令で定めるものによる被害の軽減のために |
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第8条の2の2第2項 |
防火対象物点検資格者 |
防災管理点検資格者 |
第8条の2の3第1項第2号イ |
又は第17条の4第1項若しくは第2項 |
、第17条の4第1項若しくは第2項又は第36条第1項において準用する第8条第3項若しくは第4項 |
第8条の2の3第1項第2号ニ |
防火対象物点検資格者 |
防災管理点検資格者 |
第8条の2の3第6項第2号 |
又は第17条の4第1項若しくは第2項 |
、第17条の4第1項若しくは第2項又は第36条第1項において準用する第8条第3項若しくは第4項 |
第36条第2項中「同項の防火管理者」を「第8条第1項の防火管理者」に改め、
同項の次に次の1項を加える。
第1項の建築物その他の工作物のうち第8条の2第1項の防火対象物であるものにあつては、当該建築物その他の工作物の管理について権原を有する者は、同項の規定にかかわらず、第1項において読み替えて準用する同条第1項の統括防災管理者に、第8条の2第1項の統括防火管理者の行うべき当該防火対象物の全体についての防火管理上必要な業務を行わせなければならない。
第36条の3第1項及び
第40条第1項第3号中「第36条第7項」を「第36条第8項」に改める。
第41条第1項に次の2号を加える。
六 第21条の2第4項、第21条の9第2項(第21条の11第3項において準用する場合を含む。)、第21条の16の2又は第21条の16の3第2項の規定に違反した者
七 第21条の13又は第21条の16の6の規定による命令に違反した者
第41条の6中「個別検定」を「型式適合検定」に改める。
第42条第1項第11号中「第36条第7項」を「第36条第8項」に改める。
第43条の4中「第21条の2第4項又は第21条の16の2の規定に違反した者」を「第21条の16の3第3項の規定に違反して検査に係る記録を作成せず、若しくは虚偽の記録を作成し、又は記録を保存しなかつた者」に改める。
第43条の5第3号中「個別検定」を「型式適合検定」に改める。
第44条第2号中「又は第35条の3の2第2項」を「及び第35条の3の2第2項」に改め、
同条第3号中「第5項」を「第6項」に、
「、第8条の3第3項、第21条の9第2項(第21条の11第3項において準用する場合を含む。)又は第21条の16の3第2項」を「又は第8条の3第3項」に改め、
同条第16号中「第21条の13第1項又は第21条の16の6第1項」を「第21条の14第1項又は第21条の16の7第1項」に改め、
同条第17号中「第5項」を「第6項」に改め、
同条第20号
及び第21号中「第36条第7項」を「第36条第8項」に改め、
同条第22号を同条第23号とし、
同条第21号の次に次の1号を加える。
二二 第32条第1項(第35条の3第2項及び第35条の3の2第2項において準用する場合を含む。)の規定による資料の提出又は報告を求められて、資料の提出をせず、虚偽の資料を提出し、報告をせず、又は虚偽の報告をした者
第45条第1号中「又は第39条の3の2第1項」を「、第39条の3の2第1項又は第41条第1項第7号」に改め、
同条第3号中「及び第5号」を「、第5号及び第7号」に、「若しくは第12号」を「、第12号若しくは第22号」に改める。
第1条 この法律は、平成25年4月1日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
一 附則第5条及び第7条の規定 公布の日
二 第5条の2第1項各号、第8条第1項、第8条の2、第8条の2の2第1項、第36条、第36条の3第1項、第40条第1項第3号及び第42条第1項第11号の改正規定、第44条第3号の改正規定(「第5項」を「第6項」に改める部分に限る。)並びに同条第17号、第20号及び第21号の改正規定 平成26年4月1日
第2条 この法律による改正前の消防法(次条において「旧法」という。)第8条の2第1項に規定する防火対象物の管理について権原を有する者は、前条第2号に掲げる規定の施行の日(次項において「一部施行日」という。)前においても、この法律による改正後の消防法(以下「新法」という。)第8条の2第1項の規定の例により同項に規定する統括防火管理者を定め、同条第4項の規定の例によりその旨を所轄消防長又は消防署長に届け出ることができる。
2 一部施行日前に前項の規定によりされた届出は、一部施行日において新法第8条の2第4項の規定によりされた届出とみなす。
3 前2項の規定は、新法第36条第1項において読み替えて準用する新法第8条の2第1項の統括防災管理者について準用する。
(型式適合検定に関する経過措置)
第3条 この法律の施行の日(以下「施行日」という。)前に旧法第21条の8(旧法第21条の11第3項において準用する場合を含む。)の規定により個別検定に合格した検定対象機械器具等は、新法第21条の8第1項(新法第21条の11第3項において準用する場合を含む。)の規定により型式適合検定に合格した検定対象機械器具等とみなす。
2 この法律の施行の際現にされている旧法第21条の7(旧法第21条の11第3項において準用する場合を含む。)の規定による個別検定の申請は、新法第21条の7(新法第21条の11第3項において準用する場合を含む。)の規定による型式適合検定の申請とみなす。
第4条 新法第21条の16の3第1項及び第3項の規定は、平成25年5月1日以後に自主表示対象機械器具等(新法第21条の16の2に規定する自主表示対象機械器具等をいう。以下この条において同じ。)に係る技術上の規格に適合するものである旨の表示を付する自主表示対象機械器具等について適用し、同日前に自主表示対象機械器具等に係る技術上の規格に適合するものである旨の表示を付する自主表示対象機械器具等については、なお従前の例による。
第5条 新法第21条の3第1項の登録を受けようとする法人で新法第21条の46第1項の要件を満たしているものは、施行日前においても、その申請を行うことができる。新法第21条の51第1項の規定による業務規程の認可の申請についても、同様とする。
第6条 この法律(附則第1条第2号に掲げる規定については、当該規定。以下この条において同じ。)の施行前にした行為及び附則第4条の規定によりなお従前の例によることとされる場合におけるこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
第7条 附則第2条から前条までに定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)は、政令で定める。
(検討)
第8条 政府は、この法律の施行後5年を経過した場合において、この法律による改正後の規定の施行の状況について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする。
理由
最近における火災の実態等に鑑み、火災被害の軽減に向けて火災予防対策の実効性の向上を図る等のため、高層建築物等における防火管理体制の拡充を図るとともに、検定に合格していない消防用機械器具等に係る回収命令の制度を創設する等の措置を講ずる必要がある。これが、この法律案を提出する理由である。