危険物の規制に関する技術上の基準の細目を定める告示(公布:昭和49年5月1日自治省告示第99号)
【施行日】平成11年10月1日【改正告示】平成11年9月22日自治省告示第203号 ⇒最終確認版へ
第68条の6の2 規則第43条第4項第2号の告示で定める落下試験、気密試験、内圧試験、積み重ね試験、底部持ち上げ試験、頂部つり上げ試験、裂け伝播試験、引き落とし試験及び引き起こし試験並びに告示で定める基準は、この条の定めるところによる。
一 落下試験は、次に定めるところによること。
イ 落下試験は、すべての種類の運搬容器について実施すること。
ロ 運搬容器は、固体の危険物を収納するものにあつては内容積の95%以上の内容物を満たした状態(フレキシブルの運搬容器にあつては、内容積の95%以上の内容物を満たした最大収容重量の荷重状態)において、液体の危険物を収納するものにあつては内容積の98%以上の内容物を満たした状態において、試験を実施すること。
ハ 運搬容器のうち、硬質プラスチック製のもの又はプラスチック内容器付きのものにあつては、運搬容器及び内容物を-28度以下に冷却した状態において試験を実施すること。
ニ 運搬容器は、次の表の上欄に掲げる収納する危険物の危険等級に応じ、同表の下欄に掲げる高さから、硬く、弾力性のない平滑な水平面に落下させて試験を行うこと。
危険等級 |
落下高さ(単位 m) |
Ⅰ |
1.8 |
Ⅲ |
1.2 |
Ⅲ |
0.8 |
二 落下試験における基準は、運搬容器からの漏えいがないこと。
一 気密試験は、次に定めるところによること。
イ 気密試験は、液体の危険物又は10kPa以上の圧力を加えて収納し、若しくは排出する固体の危険物を収納するすべての種類の運搬容器について実施すること。
ロ 運搬容器は、20kPaの空気圧力を10分間加えて試験を行うこと。
二 気密試験における基準は、運搬容器からの漏えいがないこと。
一 内圧試験は、次に定めるところによること。
イ 内圧試験は、液体の危険物又は10kPa以上の圧力を加えて収納し、若しくは排出する固体の危険物を収納するすべての種類の運搬容器について実施すること。
ロ 運搬容器は、次の表の上欄に掲げる運搬容器の種類及び同表の中欄に掲げる収納する危険物の危険等級等に応じ、同表の下欄に掲げる圧力の水圧力を10分間加えて試験を行うこと。
運搬容器の種類 |
収納する危険物の危険等級等 |
圧力(単位 kPa) |
金属製の運搬容器 |
危険等級Ⅰの固体の危険物 |
250 |
危険等級Ⅱ又はⅢの固体の危険物 |
200 |
|
液体の危険物 |
65及び200 |
|
硬質プラスチック製の運搬容器又はプラスチック内容器付きの運搬容器 |
固体の危険物 |
75 |
液体の危険物 |
次に掲げる圧力のうちいずれか高い方の圧力 (1) 55度の温度における運搬容器内のゲージ圧力の1.5倍の圧力 (2) 100 |
二 内圧試験における基準は、次に定めるところによること。
イ 運搬容器からの漏えいがないこと。
ロ 運搬容器(液体の危険物を収納する金属製の運搬容器にあつては、65kPaの水圧カを加えたものに限る。)には、運搬中の安全性に影響を与えるような変形がないこと。
5 積み重ね試験及び積み重ね試験における基準は、次のとおりとする。
一 積み重ね試験は、次に定めるところによること。
イ 積み重ね試験は、フレキシブルの運搬容器又はフレキシブルの運搬容器以外の運搬容器であつて、積み重ねられるように設計されたすべての種類の運搬容器について実施すること。
ロ 運搬容器は、最大総重量(最大収容重量の危険物を収納した場合の運搬容器の全重量をいう。以下この条において同じ。)の荷重状態(フレキシブルの運搬容器にあつては、内容積の95%以上の内容物を満たした最大収容重量の荷重状態)において試験を実施すること。
ハ 運搬の際に積み重ねられる同種の運搬容器(最大収容重量の内容物を収納したもの。以下この項において同じ。)の全重量の1.8倍の荷重を容器の上部に加えた状態において、次の表の上欄に掲げる運搬容器の種類に応じ、同表の下欄に掲げる期間存置して試験を行うこと。
運搬容器の種類 |
期間 |
金属製 |
5分 |
フレキシブル |
24時間 |
硬質プラスチック製(自立型以外のもの) |
|
硬質のプラスチック内容器付き |
|
ファイバ板製 |
|
木製 |
|
硬質プラスチック製(自立型のもの) |
40度以上の温度で28日間 |
軟質のプラスチック内容器付き |
二 積み重ね試験における基準は、次に定めるところによること。
イ 運搬容器からの漏えいがないこと。
ロ 運搬容器には、運搬中の安全性に影響を与えるような変形(フレキシブルの運搬容器にあつては、劣化)がないこと。
6 底部持ち上げ試験及び底部持ち上げ試験における基準は、次のとおりとする。
一 底部持ち上げ試験は、次に定めるところによること。
イ 底部持ち上げ試験は、フレキシブルの運搬容器以外の運搬容器であつて、底部から持ち上げられるように設計されたすべての種類の運搬容器について実施すること。
ロ 運搬容器は、最大総重量の1.25倍の荷重状態において底部から2回持ち上げて試験を行うこと。
二 底部持ち上げ試験における基準は、次に定めるところによること。
イ 運搬容器からの漏えいがないこと。
ロ 運搬容器には、運搬中の安全性に影響を与えるような変形がないこと。
7 頂部つり上げ試験及び頂部つり上げ試験における基準は、次のとおりとする。
一 頂部つり上げ試験は、次に定めるところによること。
イ 頂部つり上げ試験は、ファイバ板製の運搬容器又は木製の運搬容器以外の運搬容器であつて、頂部(フレキシブルの運搬容器にあつては、頂部又は側部)からつり上げられるように設計されたすべての種類の運搬容器について実施すること。
ロ 運搬容器は、最大総重量の2倍(フレキシブルの運搬容器にあっては、最大収容重量の6倍)の荷重状態においてつり上げ、5分間保持して試験を行うこと。
二 頂部つり上げ試験における基準は、次に定めるところによること。
イ 運搬容器からの漏えいがないこと。
ロ 運搬容器には、運搬中の安全性に影響を与えるような変形(フレキシブルの運搬容器にあつては、損傷)がないこと。
8 裂け伝播試験及び裂け伝播試験における基準は、次のとおりとする。
一 裂け伝播試験は、次に定めるところによること。
イ 裂け伝播試験は、フレキシブルの運搬容器について実施すること。
ロ 運搬容器は、内容積の95%以上の内容物を満たした最大収容重量の荷重状態において試験を実施すること。
ハ 地面に置いた運搬容器の底面と内容物の頂部との中間位置に完全に側面材を貫き通す長さ10cmの切傷をつけ、次に運搬容器に最大収容重量の2倍の重量の荷重を均一に加え5分間保持した後、付加荷重を取り除いてからつり上げ、5分間保持して試験を行うこと。
二 裂け伝播試験における基準は、裂け目の伝播が2.5cm以下であること。
9 引き落とし試験及び引き落とし試験における基準は、次のとおりとする。
一 引き落とし試験は、次に定めるところによること。
イ 引き落とし試験は、フレキシブルの運搬容器について実施すること。
ロ 運搬容器は、内容積の95%以上の内容物を満たした最大収容重量の荷重状態において、次の表の上欄に掲げる収納する危険物の危険等級に応じ、同表の下欄に掲げる高さから、硬く、弾力性のない平滑な水平面に引き落として試験を行うこと。
危険等級 |
引き落とし高さ(単位 m) |
Ⅰ |
1.8 |
Ⅲ |
1.2 |
Ⅲ |
0.8 |
二 引き落とし試験における基準は、運搬容器からの漏えいがないこと。
10 引き起こし試験及び引き起こし試験における基準は、次のとおりとする。
一 引き起こし試験は、次に定めるところによること。
イ 引き起こし試験は、頂部又は側部からつり上げられるように設計されたフレキシブルの運搬容器について実施すること。
ロ 運搬容器は、内容積の95%以上の内容物を満たした最大収容重量の荷重状態において横倒しにし、1のつり具(つり具の数が四以上である場合は2のつり具)により0.1m/秒以上の速度で鉛直方向に床から離れるまで引き上げて試験を行うこと。
二 引き起こし試験の基準は、運搬容器に運搬中の安全性に影響を与えるような損傷がないこと。
追加:平7自治告28、改正:平11自治告203